姉ちゃんは最強で最高 (ページ32)

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スタンドアップ　side blue ページ32

ねぇちゃんが目覚めたのは数日後だった。

「念の為、数日の間病院で療養して頂きます。」

「わかりました。」

取り敢えず、ねぇちゃんの着替えがいるな。

「今日は帰ろう。多分ねぇちゃんは起きねぇ。明日、着替え持ってまた来よう。」

潤は、ねぇちゃんが刺されてから若干トラウマ気味だ。

和も潤の前だから余裕ぶってるけど、多分もう…

ん？そういや、雅紀がさっきからずいぶん落ち着いてるな。

普通なら、潤より取り乱してるはず。

つーか、いつもの雅紀ならずっとねぇちゃんについてるはずだ。

「雅紀、大丈夫か？」

「さと、、にぃっ…、」

「おわっ！あつっ…」

これは、普通じゃないわ。

雅紀、お前…
「強くなったな。」

きっと何度も何度も泣きそうになったはずだ。

なぁ、ねぇちゃん。

こいつら、もう充分大人になったみたいだ。

翌日、予定通り着替えを持ってねぇちゃんの病室に向かった。

ねぇちゃんは、何もなかったかのように振る舞った。

それが余計に、何かを隠していることをありありと明かした。

まぁ、でも聞いても答えねぇだろうな。

潤は、奥の方でじっとこちらを見ている。

案外繊細で気にしぃだからな。

「潤！」

ねぇちゃんの声に潤の肩がびくりと跳ねた。

「おいで。」

俺たちが道を作ると、若干躊躇いがちに少しずつ近づいてきた。

野生の猫かよ、と思ったのは秘密だ。

ねぇちゃんを前にしても、潤はまだ動けずにいる。

どんだけ気にしてんだよ。

背中しか見えねぇけど、どんな顔してんのかわかるのが面白い。

きっと、泣きそうな顔してる。

潤は、誰よりも感情豊かで人の痛みとかも受けやすいから、こんな状態の家族見て泣かないはずない。

ねぇちゃん心配させないように泣いてないけど、本当は痛いんだろうな。

「大丈夫だよ。私、死んでないでしょ？こんな元気だから。」

「でもっ、、、Aねぇは俺のせいで、俺があの人を連れてきたから、こんな事に…」

ねぇちゃんは困ったように笑っている。

「おれがっさっ、、っ。。。ちゃんと言うこと聞いてたら今もAねぇ、笑ってたじゃんっ…」

ねぇちゃんは突っ立ったままの潤を勢いよく抱き寄せた。

怪我人のくせに何処にそんな力があるんだ。

…ゴリラか。