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・沖矢side ページ18

「入られます?」
「いえ、ここで待ちますよ。」

すぐに準備してきます!と駆け足で入っていく彼女。
まったく、病み上がりだと何回言えばわかるのか。

彼女の家を見上げる。工藤邸程ではないがそこそこ大きな家だ。
容姿端麗文武両道、おまけに金持ちと来たか。

《またストーカーやら夜道で襲われるやら、次は誘拐になんて遭ってたら…》

不幸体質なのかその容姿のせいなのか、ただでさえ毒親持ちだというのにとことん可哀想な女だ。

ヴー、とポケットのスマホが鳴った。
確認すると、メールが届いており送り主はボウヤだった。
メールを開いてみると、とても日常的な文面で笑いが零れる。

【今日、友達とジャガイモ掘りに出かけてたくさん取ったから博士の家で芋料理を作るんだ!
昴さんもどう?】

ジャガイモか…なら今夜は彼女も連れて肉じゃがでも作ろうかな。
ボウヤへメールを返信し、まだ煮込み料理しかできないが、レシピを見ながらならなにか作れるかもしれないと調べている時、彼女が帰ってきた。

「お待たせしました…!」
「ん?あぁ、そんなに急がなくても…ゆっくり支度してくれればよかったのに。」
「そういう訳には行きませんから。」

まただ。他人を優先しようとする傾向が見られる。
こちらが彼女のために何かを提案すると必ず否定から入るのだ。
謎が多い女だ。本当に。

「そういえば、星野さんの家もなかなか大きいですよね。」
「あぁ、両親のお仕事のおかげだと思います。」
「お仕事は何をされてるんですか?」
「えっと…」

それとなく探りを入れ始める。
すると、何かを言おうとした時ハッとした表情になり、少し口ごもると

「すごく大変なお仕事です。」

と、笑顔で一言。
なるほど、口止めされているのか。
まずは信用されないといけないようだ。

「おや…では、いつか話していただけるように信用を積み重ねなくてはいけませんね。」

そうやって片目を開き彼女を見据えると、複雑そうな顔をした。
そして

「貴方に興味を持ちました。」

真顔になった。
__ちょっと、失言してしまったかな?
だが、すぐさま表情を笑顔に変えて。

「…ありがとうございます。」

と、愛想良く言葉を放った。

第1章 終→←・沖矢side



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れりー - ガニモスさん» はじめまして。応援ありがとうございます。続編もよろしくお願いします。 (2022年5月15日 18時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)
ガニモス(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく閲覧させていただいております。今後も更新頑張ってください。 (2022年5月11日 23時) (レス) @page39 id: 641fd1fa7b (このIDを非表示/違反報告)
月雨(プロフ) - れりーさん» ベルベットというお酒があるのですね!勘違いをしてしまい申し訳ございません!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2022年5月11日 15時) (レス) id: cfd9189861 (このIDを非表示/違反報告)
れりー - 月雨さん» 即座に直しました。教えてくださりありがとうございます!ベルモットではなくベルベットというお酒を見つけて名付けていました。紛らわしくて申し訳ございません。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年5月11日 1時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)
れりー - 花音さん» はじめまして。ありがとうございます。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年5月11日 1時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れりー | 作成日時:2022年5月5日 22時

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