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「……ここは?」
『バトルモード用の異空間よ。私のトリオンと、カオスの分析力があって初めて成り立つんだから』
《初めまして。私の名はカオス。》
無機質だが意志を感じる声色は、レプリカに似て非なるものを感じる。
彼女が宣言したあと、三雲と姫様は宇宙空間のような場所に飛ばされた。いつのまにか三雲もトリオン体に切り替わっている。
説明からして、彼女のトリオンで作られた、訓練室のようなものだろうか。
『さて…何から知りたい?』
「新しい戦術を…俺でも使えるかもしれないトリガーを探してみたいんだ」
『へぇ、その可愛らしいトリオン量でも、ということかしら?』
「……そうだ。」
彼女は返答する暇もなく、突如としてトリオンの弾丸を飛ばした。三雲は反応に遅れて直に受ける。
「……!?」
『ボサっとしない。ここは戦場よ』
「いやまて、とりあえず話を……!」
『見て覚える。やって覚える。それ以外に何かあるの?』
そう言われては、何も言い返せない。意識を切り替えて、三雲はスラスターを構えた。
『まぁ…そのちっぽけなトリオンじゃ、私には敵わないと思うけれどッ!』
メガネは、あり得ないものを見た。
多数の弾道。B級の那須隊隊長を思わせる超弾道に、その弾の範囲の広さ。まさにビームだ。
「
咄嗟の防御も、一秒と待たず崩されていく。トリオン体が活動限界になるのも理解した。
『フフフフフッ! 見た? 見たわよね? 私の華麗なるシュート……名付けるならローズ・アタック……!』
「…………………すごい。」
《ミクモ・オサムのトリオンでは裁くのは不可能。推奨:回避行動》
そんなのは、宣言されずとも分かっている。
手堅く武器を握りしめ、もう一回、と叫んだ。
◆◆◆◆
「はぁ………はぁ………。」
『諦めなさい、メガネ。技術もトリオンもない貴方に私の弾は避けられないわよ』
一対一のバトルは分が悪すぎた。
まさに那須隊長のように、読めない軌道の弾丸は何度避けてもどこからでも返ってくる。トリオンで威力補正された弾はシールドを用意に貫通し、弾こうものなら武器の方が早く折れる。
三雲には、ヒュースのようなエスクードも、遊真のようなグラスホッパーも、千佳のような硬いシールドも、何もかも扱えない。
(それなら、どうすればいい……?)
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