三ツ谷隆�� ページ29
.
「大事な家族が傷ついて平気な訳ないよ
けど君たちの世界の邪魔はしたくないし、もし邪魔に思うなら切り捨てて欲しい
それまで…たまにこうして私が理想とするフツウに付き合ってよ、三ツ谷」
どうしてか、笑ってるのに
泣いてるみたいだ
「えー」
「みーつーやー？」
そんな辛気臭い空気も嫌で、オレは腕を組み眉間に皺を寄せた
そんなオレに彼女は不満そうに口を尖らせた
「ま、オレは忙しいから中々付き合ってやれねーけどなぁ」
部活も勿論、家族のこともあるし
「大人になるまで忙しそうだもんねぇ
今だって束の間の休憩だろうし
あ、帰りに妹ちゃんたちとお母さん用にチョコクロワッサン買っちゃろ〜
レンタル三ツ谷したし」
「毎度ありー」
Vサインを作って笑うと、彼女はぷ、と吐き出し笑った
＊＊＊＊
昼食も終え、本屋での用事も済ませる頃には小学生が下校している姿が見えて時間が経つ早さを体感
「図書カード、マジでいいの？」
「いいよ、私は雑誌も本も買わないし？関係ないから」
手にぶら下がる女性誌の誤解を根に持ってるのか、それを主張するような言い方で彼女は言った
「残りは自分で使うも良いし、本買ってプレゼントするでもいいし、ほんとに好きにして良いからね」
「会社での誕プレが、図書カードってオレには充分な気もするけど」
「ヨシ、図書カードが三ツ谷の誕プレになるなら毎年あげるよ
なんならそれ誕プレで！」
「まだまだ先だけど」
「…テヘ」
「じゃあ毎年デートしなきゃだなー」
「あ、彼女できたらポストにいれるから遠慮なく言うんだよ！」
「それなんか寂しーじゃん」
「そう？でも私が彼女だったらヤだよ普通に」
「…じゃあオレの彼女になる？」
「…その日限定で？」
少し聞くのも躊躇いがあったが、彼女の返しに2人して声を揃え笑った
「あーーおかし
Aちゃんほんと好きだわ」
「ありがとう、三ツ谷
でも未成年は相手にできないんだなー犯罪だし」
「一応そのケーボーも、正当な理由なきゃ違法だからな？」
「もう安易に出さぬ」
「よろしい」
解散の手前、名残惜しくてまた彼女の頭をポンポンと撫でた
恋人だったら
心地の良い距離感と気遣いで、すげー平和で何気ない日も幸せなんだろう
ふとそんな理想的な未来図が浮かんだ
「さんきゅーな」
「またね」
彼女の背中を見て振り返る
何気なく繋いだ手が、途端に恥ずかしくなってオレはその場に蹲み顔を覆った
どうしたんだ、オレ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みんじろう(プロフ) - ドンさん» コメントありがとうございます！絵が下手なので描く事はできませんすみません｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡夢主のイメージはご自分を二次元化して頂けたら嬉しいです！勿論夢主のイメージ絵も描いてくださる方がいらっしゃったらそれはそれで嬉しいです！(他力本願) (2021年11月2日 12時) (
レス) id: b551299472 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです！ (2021年10月25日 20時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みんじろう | 作成日時：2021年10月14日 23時
