万次郎�� ページ2
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兄貴が死んだ日
初めてAの泣き顔を、泣き声を知った
次の日からは何事もなかったような、そんな笑顔になっていて
けれどそれは必死に取り繕っているものだということは明確だった
彼女なりの、みんなが普通でいてほしいっていう気持ちからきている事だってわかっていたけど、余計に辛くて
「A、」
「万次郎、いらっしゃい」
「なぁ、抱きしめてもいいか」
オレが耐えられなかった
玄関を開けた彼女に、飛びかかりたい気持ちを抑えて、ゆっくり言葉にすると、彼女は怪訝な顔をしてオレを見た
「突然なんだね君は」
「…Aは辛くても、あの日以来弱音も何も言わねーから、代わりにオレが吐きにきた」
「……いいよ、こっちおいで」
許可が降りたのですぐ様強く抱きしめる
久しぶりに触れる身体は、少し痩せてて余計に小さく感じた
後ろでバタン、と閉じられた玄関の扉の音と共に、オレの勢いに負けたAは上り框に尻餅をついて、そのまま床に倒れ込んだ
「痛い…痛いよ万次郎」
耳元で聞こえる涙声に、彼女の後頭部へ滑らせた拳にやんわり力を入れる
Aが泣いてても、オレは兄貴じゃないからどうにもできない
そんな悔しさと、自身の無力さに釣られて視界が霞む
「ごめんな、Aの大事なもん、守れなかった」
「何言ってんの、万次郎
あれは、事故だったんだよ、うん、仕方ない事だから、」
こんな時でさえも、オレの心配をする彼女に愛おしいと思った
互いに、傷心しているからなにかの間違いの可能性もあるのかもしれないけれど、正しい答えが見つかるまで
「A、好きだ」
「ありがとう、私も万次郎好きだよ」
なんて予想もしなかった返しに自分の顔に熱が溜まるも、背中に回っていたAの手はオレの頭に行き、いつもの様に撫でられたことによって互いの「好き」の次元が違う事を痛感した
「… じゃあキスしていい？」
「それは困、」
その次元の壁を壊す為、彼女の返答を無視して口付ける
頭と背にあった彼女の手は、オレの胸板を押すけれど、痛くも痒くもない
「傷心者同士お似合いだと思うんだけど」
ゆっくり離れてから見える景色は、いつか見た光景で、彼女の潤んだ瞳から涙が目尻に沿って溢れる瞬間に人差し指を当てそれを拭った
「未成年はお断りですぅ！万次郎のあほばかくそがき！」
赤い顔のままのAはヤケクソに暴言を吐くが、その姿がいつになく幼く見え、オレは謎の優越感に心が躍った
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みんじろう(プロフ) - ドンさん» コメントありがとうございます！絵が下手なので描く事はできませんすみません｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡夢主のイメージはご自分を二次元化して頂けたら嬉しいです！勿論夢主のイメージ絵も描いてくださる方がいらっしゃったらそれはそれで嬉しいです！(他力本願) (2021年11月2日 12時) (
レス) id: b551299472 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです！ (2021年10月25日 20時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんじろう | 作成日時：2021年10月14日 23時
