面影に ページ14
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その後送り届けようとしてくれる彼に全力で断って帰宅した
怒涛のような1日だったが明日もまた兼業社員
けれど私を呼んで頼ってくれるのが幸せで、心が満たされると同時に、泉の行動を思い出してはどこか少し照れ臭さを感じた
演技でも、悪戯でも密着した時の体温や耳に残る声が、やけにくすぐったくて
「泉ってあんなことするキャラだっけ…」
少し昔を思い返しても、全くと言っていい程全部怒っている顔が出てくるのだ
海外行って角落とされて来たのかな
こんなこと言ったらまた怒られそうだ
安易に想像がつく光景に笑ってから布団についた
***
あれから無事に日焼け止めの撮影に同行し終えた
スタッフやKnightsの皆んなが談笑しながら車内へ入って来る
1番後ろの4人席の端っこに座った私の隣へ、迷う事なく泉は座って
「Aから見て、1番誰が良かった?」
そんな質問をした
「そう言われても…」
正直、自分の思うシチュエーションをこなしてくれた泉と凛月が思い浮かぶも、同じくすぐにOKを貰った鳴上が、泉の隣りへ腰掛け私の顔を覗いた
「事務員ちゃん…ってもう失礼よね
アタシもAちゃんって呼ばせてもらうわ
泉ちゃんの質問の答え、気になっちゃって」
「なんでなるくんが気になんの」
「え〜、Aちゃんを気にしちゃダメなの?」
「なるくんなら問題はなさそう…かな」
「どういう意味よソレ
で、Aちゃん、答えは?」
じゃれている2人を微笑ましく思いつつ
「えっと、鳴上さん!です!」
1番平和であろう答えを出すと、前に座っていた凛月の
「ぷっ、」
という失笑が聞こえた
「あら?凛月ちゃんが珍しく起きてるわね」
「ふふ、賑やかだから眠れなくて」
「すみません凛月くん」
「んーん、俺も混じろうかなって」
「ここは満席なのでご遠慮願いま〜す」
「泉くん意地悪言わない
私が空いてる席に行きます
凛月くんどうぞ」
「なんでそーなんの
俺は許可してないし」
「じゃあAの膝の上に座るよぉ」
「はは、暑いのでお断りしますね」
「暑い…から…?寒かったらいいの…?」
「寒い時はカイロにいいかなって…あれ?みなさん違います?」
3人から否定の言葉が発せられ、まるで宇宙人を見るかのようなギョッとした顔をされたが、エンジン音と共に静かに前を向いた
少ししてから眠った様子の泉の頭が私の肩に乗ったが、やはり少し暑かった
けれどそのあつさは嫌なものではなく、寧ろ安心できる温もりだった。
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みんじろう(プロフ) - 遥斗さん» 遥斗さん!ご指摘ありがとうございました!全く気づいてませんでした💦すぐ訂正させていただきました!感想もとても嬉しいです(^^) (2022年10月13日 3時) (レス) id: acc7c19a08 (このIDを非表示/違反報告)
遥斗(プロフ) - 面白かったですが、変換二つとも機能してないですよ〜! (2022年10月13日 1時) (レス) id: 2872b3e107 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みんじろう | 作成日時:2022年5月30日 1時