3 ページ3
.
嫌な予感が脳内を埋め尽くす
「でもちゃんと話し合って、またちゃんと付き合い始めました」
神『………は？』
時が止まったように何も感じられなかった
「神宮寺さんにはほんとに良くしてもらったから伝えておこうかな、って。もうしょうから聞いてると思ってたんですけど」
神『あ、そっか！よかったね、安心した』
思ってもいない言葉を吐き出して、それと同じだけ閉じ込めていたはずの自分の醜い部分がまた少しずつ顔を出し始める
「あ、私もう行かないと。それじゃ、また」
神『うん、またね』
Aちゃんの背中が遠くなると同時に廉に電話を掛ける。
信じられなかった、またヨリを戻したなんて。
.
有り得ないほどに響く早い動悸、鼓膜を揺らす機械音
無機質な音が切れてキーの高い声が聞こえると冷静さなんてもうとっくに何処かに失ってしまっていた。
そして廉が家にいることが分かると返事も聞かずに一目散に駆け出す。
でもまさか廉が手を貸したなんて、さ。
なんで？っていう純粋な疑問と、
誰に対してか分からない苛立ち
正体の分からない何かに支配された人間はまるで自分を制御出来ない。
俺が今までどんな思いでお前のために……
だから、こんなに必死な俺を他所にそんな余裕な表情を見せる廉にも腹が立ったんだ。
1番苦しいのはお前だろ、廉。
人の何倍も色んな想いを抱いて、葛藤して、
自分の想いと戦ってきたのにさ。
なんでそんな簡単に手放すようなことするんだよ。
誰よりも人の感情を読み取って空気を読むのが昔から得意な廉だからこそだってことも、本当に優しい人だから自分を気持ちを押し殺してしまってるってことも、全部分かってるよ、そんなこと。
でもさ、それじゃお前いつまで経っても今のまま何も変わんねぇよ……
ひとりになった俺は明日も仕事が休みなのを救いに朝までただ淡々と飲み明かした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1565人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みう(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます。少しでも楽しんで頂けたなら幸いです、そしてそのような嬉しいお言葉ありがとうございます^^こちらこそ最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました！ (2020年5月4日 19時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。最後までお付き合いありがとうございました、これからも是非よろしくお願い致します^^ (2020年5月4日 19時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - afterstoryもお疲れ様でした！！ここまで含めてやっぱり一番好きな作品でした。幸せになれてよかったです。終わってしまうのが寂しいですね。。。寂しくなったらまた最初から読み直します(笑)楽しく読ませていただきありがとうございました(*^^*) (2020年5月3日 10時) (レス) id: 4599bc1e74 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてました！これからも応援しています！ (2020年5月3日 9時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - せ い らさん» コメントありがとうございます、最後までお付き合いありがとうございました！次書く機会がございましたらその時もよろしくお願い致します^^ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みう
| 作成日時：2020年4月16日 20時
