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平『Aー？』
「あ、おかえり！」
平『ん、ただいま』
いつの間にか部屋着に着替えていた彼女の隣にゆっくり腰を下ろす
平『卒業おめでとう』
「ふふ、ありがとう」
久しぶりに訪れる甘い時間の流れに身を委ねていると次に口を開いたのはAの方だった
「やっぱり紫耀はかっこいいね」
平『え？(笑)』
「スーツすごい似合う」
そう言って少し緩んだ俺のネクタイに手を伸ばしキュッと上まで締め上げた
「職場の綺麗なお姉さんに言い寄られたりしてない？」
平『まぁ多少はな』
「しょうの多少はぜったい多少じゃない」
今度は頬をリスのようにプクッと頬を膨らませ不貞腐れたような表情を浮かべる
平『怒ってんの？』
「別に怒ってない」
平『じゃあ何？』
「羨ましいだけ」
顔を近づけるとAはいつも自然にゆっくりと目を瞑る。
静かに次の瞬間を待つんだ、
早く早くって、そんなことを感じさせながら。
平『こんなことするのはAだけやのに、それでもただの職場の人が羨ましい？』
「……意地悪」
でも、やけに素直に急にそんな自信の無いことを言う方が悪い
「だって……」
もの言いたげな目で何かを訴えてくるAが言いたいことは何となくわかる
だって今日は卒業式、Aにとって大切な日
少しだけ視線を逸らし綺麗に飾れらたドライフラワーに目を向ける
言わずとも、今までのあの瞬間がないときっと不安で堪らないんだろう。
平『A何か言いたいことあるやろ』
「…え」
不安に揺れるその瞳、
気を抜いたら一瞬にして吸い込まれそうになる
「しょう…もう、忘れちゃった？」
俺より低い頭の位置から寂しそうな顔が浮かぶ。
でも俺もそんなにアホちゃうよ。
忘れるわけないやんか。
平『玄関行ってみ』
「え？」
平『いいから、ほら』
催促するように立たせて背中を押す
「これ、？」
不自然に置かれた紙袋を恐る恐る手に取り、
彼女の視界に広がっているであろう真っ白な世界に枯れた声と涙を零した
「覚えて、たんだ……」
大きな節目になるであろう彼女に送った真っ白な薔薇
その純白な薔薇のように綺麗な姿のまま何にも染まらないで欲しいという小さな想いを込めて。
平『4年間お疲れ様、卒業おめでとう』
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みう(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます。少しでも楽しんで頂けたなら幸いです、そしてそのような嬉しいお言葉ありがとうございます^^こちらこそ最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました！ (2020年5月4日 19時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。最後までお付き合いありがとうございました、これからも是非よろしくお願い致します^^ (2020年5月4日 19時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - afterstoryもお疲れ様でした！！ここまで含めてやっぱり一番好きな作品でした。幸せになれてよかったです。終わってしまうのが寂しいですね。。。寂しくなったらまた最初から読み直します(笑)楽しく読ませていただきありがとうございました(*^^*) (2020年5月3日 10時) (レス) id: 4599bc1e74 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてました！これからも応援しています！ (2020年5月3日 9時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - せ い らさん» コメントありがとうございます、最後までお付き合いありがとうございました！次書く機会がございましたらその時もよろしくお願い致します^^ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2020年4月16日 20時
