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廉『あ、来たで』
廉くんの視線の先を追うように、ずっと背を向けていたドアの方に目を向ける
平『ごめん、仕事長引いて……』
「ううん、お疲れ様」
その瞬間に鼻の奥を掠める甘い香り
愛しさで胸がいっぱいになる
平『廉ごめんな』
廉『気にすんなって。これチャラにしたるわ』
そう言って手元のビールをチラつかせるから
そのまま私の方に被害が及びそうなので全力で否定をする
「私は関係ないからね、勝手に飲んだのは廉くんなんだから」
平『お前なぁ』
廉『そんなん名前書いといてくれな分からんわ』
ゲラゲラ笑って屁理屈を並べる廉くんを見守るその瞳はまるで弟を見る目のようで。
やっぱりふたりは兄弟みたいだ。
廉『そろそろ帰ろっかな』
「もう帰っちゃうの？」
廉『あとはふたりで仲良く、な？』
平『A、ちょっとこいつ下まで送ってくるわ』
「私も行くよ」
廉『あー大丈夫大丈夫』
「そっか、じゃあね廉くん。ありがとう」
廉『おー、またな』
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男ふたりでむさくるしい中ゆっくり歩く
廉『あのさ』
平『何？』
廉『ジンのことやねんけど』
平『ジン？』
あんなことされたくせして呑気に笑っているこいつは本当に何者なんだとつくづくいつになく疑う
廉『ごめんな』
平『なんで廉が謝るん』
廉『ジンがあんなことしたんは俺のせいやから』
あれは全て俺のことを思って取ってくれた行動、
もちろんやっていいことと悪いことの境界線はあるけどそれでもジンの気持ちは痛いほどに伝わっていた
平『もう怒ってへんよ。
それにさ、あれは俺にも非があった訳やからお互い様』
先日、紫耀と飲みに行ったとジンから話を聞いた。
自分から壊した友情のくせにやたら嬉しそうに報告してきた時は不意にもホッとしたことを思い出す。
廉『もうここで大丈夫』
平『今日ほんまにありがとうな』
廉『ん、じゃあな』
ひとり歩き出した夜空の中には無数に煌めく幾つもの小さな小さな星屑
さっきAちゃんと歩いた時に見上げた空と同じはずやのに心做しか今は少し霞んでみえるのは何故だろう。
前より少しだけ軽くなった肩の荷は彼女への気持ちが少しずつでも薄れている証であって欲しい。
ふたりの笑顔を思い浮かべると強ばった頬がだんだんと解けていくような感覚に、このままこの幸せが続くようにと散らばった頼りない星屑に願いを込めた。
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みう(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます。少しでも楽しんで頂けたなら幸いです、そしてそのような嬉しいお言葉ありがとうございます^^こちらこそ最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました！ (2020年5月4日 19時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。最後までお付き合いありがとうございました、これからも是非よろしくお願い致します^^ (2020年5月4日 19時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - afterstoryもお疲れ様でした！！ここまで含めてやっぱり一番好きな作品でした。幸せになれてよかったです。終わってしまうのが寂しいですね。。。寂しくなったらまた最初から読み直します(笑)楽しく読ませていただきありがとうございました(*^^*) (2020年5月3日 10時) (レス) id: 4599bc1e74 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてました！これからも応援しています！ (2020年5月3日 9時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - せ い らさん» コメントありがとうございます、最後までお付き合いありがとうございました！次書く機会がございましたらその時もよろしくお願い致します^^ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2020年4月16日 20時
