page3「怒り」 ページ4
「……で…………」
その時、この空間に小さな声が聞こえた気がした。
そんなことを言っても、姉に対するものだろう。
私だって言いたいことは山程ある。
だけど、泣いて言葉がまともに紡げない。
喉で言いたいことが引っかかって声が出せない。
それに、
_______言ったってどうせ届かない。
尚も、固く閉じている瞳がそう教えてくれる。
【この世には居ない】と。
そんなことはとうにわかっている。
だからこそ、もうこの場にいるのが辛いのだ。
目眩がしてきそうな現実は私に重くのし掛かる。
「…んで……」
誰かがまた、小さく呟いているのが聞こえた。
それさえも聞いて居たくない。
もうここにいるのは限界だった。
私は静かに病室を後にしようと立ち上がる。
こんな姉の姿は見たくない。ただそれだけだった。
ベッドから離れて未だ震えている足を立たせる。
後ろを向き、来た道を戻ろうとする。
その時、
下を向いて居た男性が私の胸倉を掴んだ。
「ヒッ……」
短く悲鳴を上げた私に男性は顔を上げた。
・
・
・
・
・
「……なんで、此奴の一番近くにいたくせに気付かなかったんだよ!!!!!」
その顔は【姉の妹】として私に向けて居た表情の面影なんか
全くなく、
怒りに満ちたそらるさんの表情だった。
怒鳴ったそらるさんに辺りは静まり返り、
重苦しい雰囲気がより一層暗くなる。
「此奴は最期までお前が来るのを待ってたんだよ!!!」
そう怒鳴るそらるさんを周りにいる人たちが
我に返り、止めに入る。
そんなことは御構い無しでそらるさんは続ける。
「『来たらお別れを言わないと』
なんて掠れた声で、無理に笑いながら、
此奴は言ったんだよ、
それなのに、
お前は、此奴が消えてから
病室に入って来やがって!!!」
「そらるさん!!」
周りから静止の声がかかる。
また沢山溢れ出す涙は恐怖と罪悪感、そして
「此奴じゃなくて、お前が死ねば……っ」
劣等感の所為だ。
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雨中と猫。(プロフ) - ちょこさん» うわああああんすみませえええええんがんばります (2022年2月10日 2時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2021年12月20日 22時) (レス) @page49 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - いちごポテトよーぐるとさん» 返信が遅くなりすみません!めちゃくちゃ嬉しいです、現在別作品「笑えないって」リメイク更新中ですのでもう暫くお待ち下さい!! (2021年12月9日 18時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
いちごポテトよーぐると(プロフ) - 色々な感情で涙が……とても面白かったです…。更新待ってます、! (2021年8月17日 0時) (レス) id: 33ba1212be (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 眠夢_さん» うわああああありがとうございます!!今メインで書いている「笑えないって」という小説のリメイクを行っていてそちらが落ち着き次第こちらも更新しようと考えております!絶対完結はさせますので何卒ー!! (2021年8月13日 3時) (レス) id: 6b41ff11b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨中と猫。 | 作成日時:2017年4月29日 2時