5話 ページ7
『なんだか円堂君のお陰で早く答えを見つけられそうだ。後、僕の事はAって呼んでよ。試合頑張って』
＿＿＿＿＿＿
「…どう、…っんどう！…円堂！」
「…うぇ？！どうした風丸？」
「どうしたはこっちの台詞だ。何かあったか？」
「いや！なんでもないぜ」
「そうか…」
ぼーっとしていた円堂を風丸は何かあったのかと声を掛けるがなんでもないと言い円堂は部室を出た。
「帝国学園だ！」
誰かが試合相手が来た事を告げる。
校門前に装甲バスが止まり中から出た生徒達の間を歩いて行く帝国学園の選手達
「鬼道さん、なんでこんなチームと試合を？ウチのスキルが上がるとは思えませんけど」
「面白いものが見えるかも」
「面白いもの？」
MF辺見の言葉にキャプテンであり同じMFの鬼道がニヤリと笑いながら答える。
「まぁ、楽しみにしている事だ」
挨拶をする円堂に素っ気なく答える鬼道。
そんなやり取りを見ていた豪炎寺の下に訪ねてきたA。
『やぁ、豪炎寺君も見に来たんだね』
「Aか…」
豪炎寺が寄りかかる木の根元にAは腰を下ろす。
『やっぱり気になる？』
「…」
『ふふ、まぁ見てよっか』
Aの言葉に眉をひそめる豪炎寺に思わず声が漏れる。
フィールド外ではそんな事があったが内では帝国イレブンが、ウォーミングアップとしてパス回しをしていた。
「な、なんだ？！」
「消えた？」
「おいおい、何だよあの動き」
「あ、あんなのと試合するのかよ…」
凄まじい動き、威力、テクニックを目にした雷門イレブンは驚愕する。その時、2人からのパスを貰った鬼道が円堂に向けシュートを放つ。
「っ！？」
手の中で何度も回転するボールを何とか止めた円堂は、両手に広がる痛みにそっと手を開く。グローブにはボールの摩擦によって焦げた痕があった。
円堂は、驚きの表情からワクワクとした声をだし、これからの試合に気合を入れる。
「面白くなってきたぜ！」
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作者名：雨の子 | 作成日時：2019年4月17日 16時
