ﾟ*｡ジェリービーンズ｡*ﾟ【坂田銀八】 (ページ17)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:6,021 hit

晋ちゃんって浮気するの？by神威/どの口が言ってやがるby高杉ページ17

side:高杉

気分が悪い。

保健室へ向かいながら、秘かに舌打ちした。

何故だが胸騒ぎがする。

ムシャクシャする気持ちを抑え込み、乱暴に保健室のドアを開けた。

｢―――｣

瞬間、息が止まりそうになる。

一体誰が想像したのか。

―――土方がAを抱き締めてる、なんて。

｢.....A｣

｢晋ちゃん!?｣

｢.....高杉.....｣

―――Aが、離れてく。

土方の腕の中にいるAを見て、そう思った。

｢晋ちゃん、あのね｢誤解すんなよ高杉。俺ァ別にAを奪おうなんて思っちゃいねぇからな｣....土方君....｣

Aを抱き締めていた土方はいつの間にか俺の目の前まで来ていて、

｢....もしお前がAを泣かすような事があったら、その時は遠慮せずもらうからな｣

そう言い残して保健室を後にした。

残された俺とAは、しばらく無言のままだった。
.

.
side:A

｢......あの、晋ちゃん｣

土方君が保健室を出ていってから無言のままの私たち。

その無言状態が耐えられなくなって思い切って声をかけると、いきなり立ち上がった。

｢.......｣

｢え、晋ちゃん？｣

黙ったまま近付いて来た晋ちゃんは、私を抱き締めた。

｢A.....頼む。お前に好きな奴が出来るまででいい....俺の傍にいてくれ...｣

｢........晋、ちゃん.....｣

苦しいくらい強く抱き締める晋ちゃんは、泣いてるように見えた。