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私がよく似た彼女が衣装を着る｡
メイクを施される｡
それは､新しいヒュリをイメージさせる｡
私という殻から出た､美しい蝶｡
私には似合わない可愛い衣装だ｡
足の綺麗な彼女は､スカートからそれを覗かせている｡
甘い色を纏った愛らしい彼女は､可愛いと言われるにふさわしい｡
HR「…変じゃ､ないかな」
『とっても似合ってます｡可愛いです』
HR「…いつもあなたは､かっこいいものばかり着ていたから」
『ええ｡きっとヒュリの新しい誕生のためです｡ここからが､ヒュリの始まりだって意味も込めて』
HR「…ステージ､上手くやれるか…見ていてくれる？」
『はい｡ここで､ちゃんと見ています』
HR「じゃあ､行ってくる…」
きっと､みんな驚くだろう｡
普段も衣装でも可愛い恰好なんてしないヒュリが､可愛らしくなったのだ｡
彼女の不安そうな顔も､滅多にしない恰好が恥ずかしいからだと思うだろう｡
なにかもが順調で､すべてが整う日｡
【…Aさん｡宿舎の荷物は､ヒュリのものと入れ替えになるから､早く帰って準備しなさいって】
『…荷物は少ないですし､他は彼女のものですから｡ステージだけ､見させてください』
【……よく､頑張ったわね｡お疲れ様】
控室を出ていく彼女が､確かにそう言った｡
それだけで､なんだか救われた気がした｡
＊＊
―――ステージは､大成功に終わった｡
＊＊
車に揺られて､窓の向こうに目を向ける｡
宿舎には､すでに彼女の荷物が運ばれていた｡
私が彼女のために作り上げてきた部屋と､何ら違和感もないそれらを整えて自分の荷物を持った｡
それは､あまりにも少ない荷物であった｡
言い換えれば､これだけしか自分というものを持っていなかった｡
否､これだけの自分しか持つことが許されなかったのだ｡
会社の車は､私を乗せて実家のある大田に向かっている｡
どうやら実家に帰されるらしい｡
今までの給料も渡されたし､しばらくは実家で休んでいよう｡
それからやってみたかったことをしよう｡
学校に行くのも､勉強に勤しむのも､きっと楽しいだろう｡
両親にはすべて言ってあるが､少しだけ不安だ｡
私がやりたいからと言って無理に賛成してもらった｡
彼女の身代わりになるということは､二人の娘である自分が消えるも同然だったから｡
…泣くだろうか｡
『…喜ばせるために､入ったのになぁ…』
小さく呟いたそれを､運転席の彼は聞き取ったらしい｡
バックミラー越しに目が合った｡
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su4a54fpds(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです。 (2020年7月18日 0時) (
レス) id: 93a8daf531 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！！！ (2019年11月8日 7時) (レス) id: 034759dbd3 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぱーむむさん» ありがとうございます！！雑な終わり方で申し訳なかったです…！続きは内容を考えてみますね！近いうちにどっちかが上がると思いますので､楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - かんめいさん» コメント助かります！！二人の小説は確かに少ないですよね…！個人的にはチソンくんの方が書きやすいので､チソンくんかなぁ…と｡続きは内容を､考えてみます！ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 396d1f30b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーむむ(プロフ) - 毎日更新されるの楽しみにしながら見てました！ このお話の続きも見たいです！ (2019年9月13日 18時) (レス) id: 9e8d1002e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2019年8月15日 4時
