惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ21)

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不安スギページ21

店長「じゃあ、お疲れ様。気を付けてねー」

『お疲れ様でーす』

渡辺「ういー。」

今日もバイトが終わり、みんな店先で解散する。
自転車、寒いし急いで帰んないとね

目黒「今日も自転車ですか？」

『うん、案外速いし。家まですーぐだよ！』

渡辺「こいつ、自転車鬼速いんだわ。顔が必死なの」

『うるさいな、寒いし帰りたいんだもん』

目黒「そういや・・・なんか最近変な事とかないっすか？Aさん」

『変な、こと？』

目黒「いや、なんか嫌がらせとか迷惑行為とか。些細なのでいいんですけど」

『あー。そういえば声はかけられたかも。』

渡辺「は？俺にはそんなの無いってこの間言ってたろ？」

『あの時は忘れてたけど、よく知らない女の子からバイト終わりに声かけられた』

そうそう。年末の頃にね

あの子・・・
なんだったんだろう。忙しかったから少し忘れてたんだけどさ

渡辺「なんか言われた？変なこととか、されてねぇよな。」

『距離をとってください。明らかに同僚としての距離が近すぎです、って。』

目黒「距離を・・・？」

渡辺「は？なんだよそれ。」

『たぶんだけど、蓮君・ラウ君って言ってたし知り合いとか彼女さんなのかなって。』

渡辺「ラウは彼女は絶対いない。めめもだろ？」

目黒「はい、いないっす。」

渡辺「ってことは厄介なファンかストーカーってとこだな」

『す、ストーカー！？』

少し考え込んでブツブツとひとりごとをしている渡辺君
高校生にファンとかって、
漫画の中の話かと思ってたのに実在するんだ

渡辺「おい。お前さ、ちょっとは危機感を持てよ？」

『って、言われましても』

渡辺「結構、目黒の追っかけは過激だぞ？何されるかわかんない。」

『ちょと、距離をとるべきだったかなぁ私』

渡辺「俺からは、まぁ、それをお勧めするわ。あとこれから俺が、帰り送ってく」

『いやいや。それは申し訳ないよ渡辺君に』

渡辺「俺がそうしたいんだよ。黙って送られてろってば」

少し強引だけど、ちゃんと心配してくれているのが分かる
優しいんだよねしょっぴーは

『ごめんね、渡辺君。』

渡辺「そのかわり、俺と絶対二月遊べよ」

『そんなに遊びたいの？？？？』