惑わせる彼【紫】 (ページ45)

今日:57 hit、昨日:31 hit、合計:134,024 hit

＊ページ45

コンビニから帰ってきた深澤先輩の隣には、見知らぬ人影

近くにいた佐久間先輩の顔が少しこわばる
まさか、

深澤「コンビニ行ったら、結城に会っちゃってさぁ！着いてきちゃったわ」

結城「わ、本当に楽しそうな花火やってる！私も混ぜて？」

い、嫌だな。と思ってしまったけど相手は先輩だし、断ったら失礼かな・・・？
今にも花火やりたがってる感じだし、誘うべきか

佐久間「ねー、ふっかアイス早く頂戴。俺これ食べたらアニメ見たいから帰る！」

さっき、結城先輩が怖いとか気に食わないっていってたのに
自分の意見をしっかり伝えた佐久間先輩の姿があった

深澤「え？今日だっけアニメ。もう帰んの？」

佐久間「だーかーらー、嫁が待ってんの！帰る！！！」

結城「佐久間君、まだ嫁とかいってんの？(笑)モテないよ？」

佐久間「・・・うるさい。」

ビックリした。あんなに苦手意識があったとは思えない態度
さすがに渡辺君や岩本君も彼の態度の違いに気づいたのか、アイスを食べながら凝視してる

佐久間「俺には、不得意があったとしても、少なくとももっといいところがあるし！」

『佐久間先輩・・・！』

私にだけわかる言葉。心に響いてくれていたのかな

結城「・・・ふっか、この後、家に忘れてった服、取りに来てよ」

深澤「ん？あぁこの間のか」

じゃあこの後行くわ～と深澤先輩に言われると
どこか勝ち誇ったようにわたしを見下ろす、結城先輩

服、を、忘れる？

そんなシチュエーションって、普通のお友達ならない、よねぇ。

深澤「はいはい、じゃあ後で家行くから待ってて。結城」

結城「うん！わかった、待ってるね」

満足したのか、さっさと帰っていく結城先輩
結局今の深澤先輩の隣には、あの人がいるのね

『じゃあ、私たちもそろそろ帰ろっか。渡辺君』

渡辺「・・・・そうだな、帰ろ」

深澤「え？もう帰んの？せっかくの夏休みだよー？」

岩本「俺らでA送っていくんで。ふっかはあっち行けば？」

岩本君は、今日一で冷たく顎で結城先輩が帰っていった方向を指す

少しの沈黙が、私たちの間を通り抜ける

深澤「・・・そ。じゃあ気を付けて帰るんだよ、Aちゃんまたね」

『今日はありがとうございました。』