惑わせる彼【紫】 (ページ35)

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須能大学の図書館を利用して対策を始めてから、はや二週間。
朝から取り組んで、バイトがある日は働きに行くだけのなんとも味気ない日々を過ごしている。
中学の友達のはるなは、一般で大学受験するらしく毎日を予備校で過ごしているみたい

『遊びたい・・・なぁ。』

さすがに息抜きをしないと、息が詰まっちゃいそう
苦しい日々を過ごしているときには、やっぱり深澤先輩の事を思い出す

受験生の私が遊びに誘うなんて、おこがましいかな

渡辺「受験生がそろって夏休みにバイトしてんの悲しくね？」

『仕方ないよ、地方のバイトの人はみんな実家に帰っているんだから』

もう少しで八月になるというのに、相変わらず渡辺君と私は働いている
少しシフトを減らしてもらったけど、私にとっては息抜きになってるし。

店長「二人とも今日はお疲れ。これよかったら持って帰ってよ」
と、先月末から入荷しておいていた手持ち花火のセットを二つ分渡してくる

渡辺「え。これもらっていいんすか？」

店長「いいよ、そろそろ見切って売るのやめようと思ってたしね。どうぞ」

『店長ありがとうございます！』

『・・・ってもらったけど、渡辺君、これどうしようか』

渡辺「まあまあな量だよな、せっかくだし今度の休み、一緒にやる？」

『いいね、息抜きにあそぼ。岩本君とか呼ぼうよ』

ラインを動かしてみようかな、再会してから岩本君にはラインしてなかったし
人は多い方がいいよね

渡辺「・・・まぁ二人でやるより楽しいか。照呼ぼ」

電話の方が早いなっていうから、渡辺君がその場でスピーカーにして岩本君に電話をかける

渡辺「あ、もしもし照？来週の日曜暇？」

岩本「なんだよ翔太、お前から電話とか初めてじゃない？」

『岩本君こんばんは、Aですー』

岩本「え？A？どうした？」

渡辺「バイトで手持ち花火もらったから来週の夜一緒にどうかなって。」

電話を掛けた岩本君は、なんだかざわざわする環境にいるのか後ろから人の声が聞こえる

岩本「来週？いいよ、俺も暇だｓ・・・・」

佐久間「おっちーーーーーーーーーーー！！！！」

あれ？なんで岩本君の通話に聞き覚えのある、声が聞こえるの？

渡辺「げ、その声は・・・。」

佐久間「Aちゃん、久しぶり！！！！俺ら、も日曜暇だよ！！！」

『え、俺らっていうのは』

深澤「俺もいまーーーす！！」