惑わせる彼【紫】 (ページ34)

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引き止めないでページ34

大学の食堂のレベルを舐めていた。
本当にこのチキン南蛮は美味しい

食べる手が止まらない、美味しいなぁーーー。

深澤「そんなに美味しそうに食べてくれちゃって、俺も嬉しー。」

『ほんと美味しいですね。お箸が止まんないです』

深澤「ふふ、Aちゃん、頬張るからリスみたいだよー？」

『深澤先輩だって汁こっちに飛ばさないでください。五歳児ですか？』

深澤「おぉい！！！俺大学生なんだけど！？」

この間は並んで講義室にいて、今は食堂に一緒にいる
なんだか不思議なんだけど、ちょっとだけこのままで居られたら。

深澤「そういや、進路は結局どこにしたの？」

『先輩には言ってませんでしたね。椿沢女子大です、ここから一時間くらいの』

深澤「あー、そっか。ここのの大学にはやっぱ来なかったか」

『・・・ごめんなさい。でも』

深澤「ちょっと残念。でもAらしいよ、頑張って」

そこからはなにも聞かないでいてくれる深澤先輩
察する力が、有りすぎるでしょ・・・(笑)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『今日は本当にありがとうございます。助かりました』

深澤「Aちゃんもこんな時間までおつかれ。えらいえらい」

結局、私たちは図書館が閉まる夕方まで籠って読書をすることが出来た
何とか取り掛かることができなかった小論文にこれで対策ができる。
夏休み中に何パターンか考えていないとね

深澤「じゃ、送ってくよ」

『いやいや、さすがにまだ明るいですし一人で帰れますって』

深澤「いいじゃんいいじゃん。さっきまでずーっと本読んでて話せてないんだもん！」