惑わせる彼【紫】 (ページ27)

今日:15 hit、昨日:18 hit、合計:134,315 hit

＊ページ27

『深澤先輩、ありがとうございます』

深澤「いーえ、連れまわしちゃったから」

差し出したカフェオレをバツの悪そうな顔でしまう渡辺君

佐久間「えぇ！？ふ、ふたりってそういう関係！？やばぁ！」

やっぱり佐久間先輩が私と深澤先輩の周りをちょこちょこと走り回りながら煽る
この先輩、小型犬っぽいなぁ
あふれ出る、チワワ

・・・の首をつかむ岩本君

岩本「佐久間、やめとけって」

佐久間「えぇ～？ってか、俺、先輩だよぉ照～」

深澤「なんかそこの二人いつの間にか仲良くなってない？ゎら」

身長差的に、本当に岩本君が後輩には見えないな
でもいつの間に仲良くなっちゃってるし

『佐久間先輩は、深澤先輩とはどんな仲なんですか？』

佐久間「んっとねぇ、俺ら大学の学科一緒なの！それで今は同居しててさぁ！」

深澤「ちょ、ちょっと佐久間！そんなとこまで言わなくても・・・」

『え？？同居、ですか？』

いくら仲がいいとはいえ、いきなり二人で同居？
距離感バグってないか？？？
それともなんか訳ありなのかな

深澤「だーーーーっ！佐久間違うでしょ、同居じゃなくて、シェアハウス！」

渡辺「シェアハウス？」

深澤「入試の時から佐久間と仲良くなったし、こいつが一人暮らしにはデカすぎるとこに住むってことで何人かで金割って住んでんの。こいつの親名義で借りてるんだけどねぇ」

こいつ、案外ボンボンだから！なんて紹介されている佐久間先輩は
にゃはっ！っと輝かしい笑顔でこっちを見ている。
あ、この人意外と履いてる靴とか財布がいいブランドものだ

『シェアハウス・・・なんか本当に楽しそうですね！』

深澤「それがさぁ、男だけだしご飯とか家事問題でいつも揉めんのよ」

岩本「ふっかの口から家事って言葉を聞くとは・・・家庭科成績悪かったし」

深澤「おぉい！そんな事ばらすなよ！ゎら」

だからたまに、学科の友達とか呼んでご飯作ってもらったりしてんだよねー
なんていう深澤先輩
その[ご飯を作ってもらう仲]が、あの結城さん？

仲良く、同じ家のキッチンで。

私の中でどす黒いナニカが、また少しだけ蠢いた

渡辺「・・・A、帰ろ。」