惑わせる彼【紫】 (ページ28)

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試さないでページ28

『え、あぁ・・・そうだね、そろそろ帰ろうか』

渡辺「ってことで、俺たち帰るんで。今日はありがとうございました」

深澤「え？二人とももう帰っちゃうの？」

岩本「・・・俺はふっかたちともう少し残ってるわ、A、お疲れ。」

何か私の顔を見てから察したのかフォローに回ってくれる岩本君
昔から気を使ったりしてくれるのは早いよね

『岩本君もお疲れ』

佐久間「えぇー！帰っちゃうのか、おれ、もっと話したいことあんのに！」

深澤「もうちょっといてくれてもいいのに・・・ねぇ帰っちゃうの？」

ねぇ～と私の制服の袖を軽く引っ張る深澤先輩。
困ったな、少し可愛いと思ってしまう自分は重症なんだ

『えぇと・・・どうしましょうか』

佐久間「あ、でもふっかそろそろ帰んないと。夕飯の担当今日はふっかだろ？」

深澤「げ。そうじゃん、面倒・・・」

名残惜しそうに、袖を引っ張るのをやめた深澤先輩。
これで潔く帰れるかな
それにしても渡辺君がちらちらずっとこっちを見てるけどなんだろうか、
ご主人を待つ忠犬？

『じゃあお先に失礼します。深澤先輩、今日はありがとうございました』

深澤「うん、夏休み入ったら教えてね、あそぼ」

『いや、私受験生なんですけど・・・・』

深澤「息抜きだと思ってくれたらいいでしょー？いいじゃん！ゎら」

佐久間「今度俺ともたくさんはなそーね！にゃは！」

『はい、ぜひ(笑)』

・・・・・・・・・・・・・・

大学のキャンパスを抜け、駅の方向へと二人で歩き始める
朝からずっと気を張って慣れない大学で過ごしていたからか、どうしても疲れが来てるな

『・・・はぁ。』

渡辺「顔。めっちゃ怖かったけどなんかあった？」

『私が？そんなことないとは思うんだけど』

渡辺「嘘つけ。今まで見たことないくらい顔がコロコロ変わってたぞ」

『そうかなぁ・・・まあ、朝から緊張しっぱなしだったからかもね』

意識してなかったけど、ちょっと眠いしあくびが出てしまう

渡辺「今日、誘ってくれてありがとうな。」