【忍たま】五年生への片思い５つの物語 (ページ1)

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・不破雷蔵とどくたまページ1

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は組の良い子たちも一人残らず寝静まり夜も深まったある日の忍術学園は、小松田という優秀な事務員兼門番がいるにも関わらず珍しく外部からの侵入を許していた。
とは言っても侵入者が学園の脅威となることはない。素早い身のこなしは見事なものだが、その腕はプロの忍者のものと比べるには細く、その身長は学園の上級生と並べてもそう高くはない。たとえ普段のような活気が無い忍術学園だとしてもこの侵入者一人で優秀な先生達の相手などできるはずが無かった。

侵入者の正体は忍術学園と敵対するドクタケ忍術教室に在籍するどくたま、AAであった。
彼女は明確な目的があるようで広い敷地内を迷うことなく、身を潜められる物陰を利用しながらながら進んでいった。途中、頭上に異常な程大きなそろばんを担ぎながら池の中を歩行する奇人や、一心不乱に地面を掘り進める変人を見かけて叫びそうになったが、何とか目的の場所へたどり着くことができた。そして懐からあらかじめ用意しておいた道具を取り出しピッキングを行うとAはするりとその体を部屋の中に滑り込ませた。

所狭しと並べられた本棚を見回しながら口当てを緩めて一息をつく。ここは忍術学園の図書室だった。Aが図書室に忍び込んだのは忍術教室で出された課題のためだった。蔵書数もさることながら、学園の図書室には貴重な書物も数多くあった。南蛮から渡ってきたという「科学」について書かれた書物を手に入れ書き起こすことが彼女に与えられた課題であった。

しかしこれだけ本があれば探すのに時間がかかりそうだ。どこから探そうか、Aが棚に向かって足を前へ出した時だった。足裏に違和感を覚え身を引こうとしたときには手遅れで、あっという間にAは右足を縄で天井からつるされ、床から2尺ほどのところで宙吊りになっていた。

まさか生徒が頻繁に利用する図書室にまで罠があるとは思わず油断していたのがいけなかった。流石、優秀なにんたま達が集まる忍術学園である。Aは納得しながらも悠長にしているバヤイではない、と何とか抜け出せないかもがいてみるが縄はきつく締められているようでびくともしなかった。

その後、クナイを使って縄を切ろうと奮闘したが、宙吊りで上体を起こして足の縄を切るのは至難の業であり、時間ばかりが過ぎていき、気が付けば窓の外はすっかりと明るくなっていた。遠くからはにんたまのものと思われる声も聞こえてくる。

そして、こちらへと向かってくる足音。

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