人生塞翁が虎〈伍〉 ページ7
太「なァに……探偵さ」
国「チッ探偵と云っても猫探しや不貞調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だ」
国「異能力集団『武装探偵社』を知らんか?」
『武装探偵社』と聞いて、敦は以前聞いた噂を思い出す
曰く、軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団―――――
昼の世界と夜の世界、その間を取り仕切る薄暮の武装集団
なんでも『武装探偵社』の社員は多くが異能の力を持つ異能者だと聞くが―――――と
そんなことを回想していると、太宰が何か思いついたように云った
太「あの鴨居頑丈そうだね………たとえるなら人間一人の体重に耐えられそうなくらい」
国「立ち寄った茶屋で首'吊りの算段をするな💢」
太「違うよ、首'吊り健康法だよ。知らない?」
国「何、あれ健康に良いのか?」
太宰のあからさまな嘘を、国木田は完全に鵜呑みにした
太宰の言葉を信じた国木田は、太宰に聞いた情報をすらすらと手帳に記していく
その光景を見ながら敦は本当かなあと太宰に疑いを持つ
案の定、太宰の言葉は嘘だったため、国木田は怒って自身の万年筆を片手で折って見せた
敦「そ………それで、探偵のお二人の今日のお仕事は」
国「虎探し、だ」
敦「………虎探し?」
太「最近、街を荒らしている『人食い虎』だよ。倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり好き放題さ」
太「最近この近くで目撃されたらしいのだけど―――――」
ガタッ
大きな音がして、青い顔をした敦が椅子から落ちた
どうやら相当怯えているらしく、立つことも侭ならないようで赤ん坊のようにハイハイしながら机から離れていく
敦「ぼ、僕はこれで失礼します」
国木田「待て」
然しそんなことを国木田が許すはずも無く、敦の首根っこを掴まえて持ち上げている
掴まえられている間も、敦はどうにか逃げようとシャカシャカ手足を蟲のように動かす
敦「む、無理だ!奴――奴に人が敵うわけ無い!」
国「貴様、『人食い虎』を知っているのか?」
敦「あいつは僕を狙ってる!殺されかけたんだ!」
敦「この辺に出たんなら早く逃げないと――」
敦が云うと、国木田はいきなり手を離し、足を払って床に押さえつけた
敦「………ッ」
国「云っただろう、武装探偵社は荒事専門だと」
国「茶漬け代は腕一本かもしくは凡て話すかだな」
そう云って敦の腕をきつく握る
高身長の大人がボロ布を纏った子供を組み敷いている、そんな状況に他の客は何事かとひそひそ話し出した
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作者名:六等星 | 作成日時:2023年4月26日 6時