【文スト】マフィアの黒姫 (ページ5)

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人生塞翁が虎〈参〉ページ5

？？「おぉーい」

ｺﾂと靴の鳴る音がして長身長髪の眼鏡をかけた男性が現れる

？？「こんな処に居ったか唐変木！」

唐変木、と呼ばれた蓬髪の男性は眼鏡の男性に手を振り応える

？「おー国木田君ご苦労様」

国「苦労は凡てお前の所為だこの自'殺嗜癖！お前はどれだけ俺の計画を乱せば―――――」

だが、国木田と呼ばれた眼鏡の男性は蓬髪の男性に腹を立てているらしく、その頬には💢が浮かんでいる

？「そうだ君、良いことを思いついた。彼は私の同僚なのだ。彼に奢ってもらおう」

敦「へ？」

国「聞けよ！💢💢」

国木田を無視して、いきなりとんでもない提案をしてくる蓬髪の男性に敦は驚き、国木田は更に怒りが増したようだった

？「君名前は？」

敦「中島………敦ですけど」

？「ついて来たまえ敦君。何が食べたい？」

敦「はぁ………あの………」

言うのを躊躇うように敦は一度言葉を切る

敦「茶漬けが食べたいです」

茶漬け、と答えた敦に蓬髪の男性は一瞬驚いたような顔をする

？「ぷっはっはっは！餓死寸前の少年が茶漬けを所望か！良いよ、国木田君に三十杯くらい奢らせよう」

笑顔でそう言い放った蓬髪の男性に国木田はまた怒りを露わにする

国「俺の金で勝手に太っ腹になるな太宰！」

敦「太宰？」

？「ああ。私の名だよ」

丁度、敦の太宰の周りに風が吹き通る

太「太宰、太宰治だ」