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★2 ページ14

地下室を後にし、彼女は執務室までの廊下を歩いていた

其の姿は、迚もつい先程拷’問していたとは思えない気楽さだ

仕事モードが解除されたのだろう



Aside

自室に戻って再度盗聴器を聞き出すと、丁度誰かと食事をしている処で、如何やらあの探偵社に拾われたらしい

あの時、ふと何か面白そうだなと思ったのでこっそり盗聴器をつけたのだが、案の定だ

そして彼方側は人喰い虎の話になった

敦君の話からして彼が虎の正体だろう

そんな事を考えていると、小さく、然し確実に此方に聞かせる様な声がした


太「―――それに二人じゃあない」

気付かれた⁉

驚いていると、更に驚くことが起こった

バキッ

盗聴器が壊された音だった


『!?盗聴器が……何故気付かれた…?あの男、ただ者ではなッ…ァ』


何か情報を得ようと男のことを思い出そうとしていると、突然酷い頭痛が襲って来た

キーンという音が頭に木霊し、内側がガンガンと痛む

私は立っていられなくなり、思わず近くの椅子の背に掴まる

視界がぼやけ始め、段々と平衡感覚が消えて行く

終いには手足も痺れ始め、立って居られなくなってその場に倒れた

受け身を取れず、全身を強く打ち躰中が痛む

何も考えられなくて唯々痛みに耐える

そんな時に丁度、電話が鳴った

幸い、着信音を全員違う音にしていた為、相手は直ぐに分かった

この音は姐さんだ

早く出ないと…

然し、意識も朦朧としてきては電話を取ることが出来ない

其の儘、私は意識を手放した

――――――
―――
紅葉side

「……繋がらんのう」


私は今、鷗外殿からの伝言を伝えようとAに電話しておるが何故か繋がらない

何時もならば直ぐに応答してくれるのじゃが…


「居るかは分からぬが、執務室まで行くとするかの」


あの子も忙しい身

仮眠でもして居るのじゃろう

ならば菓子のひとつでも持っていくとするかの

そう思い、菓子を取って廊下に出る

Aの執務室はひとつ階が下じゃ

幹部代行なのじゃから幹部室を使って良いのじゃが…頑なに


『いえ、厭くまで代行ですので幹部の皆様と同じ階という訳には』


と云って譲らなかったからのう…

そうこうしているともう部屋についてしもうた

じゃが可笑しいのう…気配はあるのに物音がしない…然も私にも気付いておらんようじゃ

真逆Aの身に何か!?

そして急いで扉を開けると、そこにはAが倒れていた


「A!!どうしたのじゃ!?兎に角鷗外殿に診せなくては!」

★3→←★


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作者名:六等星 | 作成日時:2023年4月26日 6時

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