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一体彼は何者なんだろうか
シャワーの音が聞こえる中で、一人コンビニで買ったご飯を食べながらビールを飲んでいた
知らない男の人を家にあげるなんて何考えているんだと自分の行動に頭が痛くなって
シャワーから出たらすぐに帰ってもらおうと決めた
本当はトイレを貸したら帰ってもらうつもりだったのだが
トイレから出て来た彼があまりにもみすぼらしくて、お風呂に入っていけばと私から言ったんだ
ほんと、まるで捨てられた犬みたいで
いや、よっぽど犬を拾った方が安全だったと思う
『はぁ……』
ため息を吐けば、カチャリと音がしてリビングに入って来た彼
「風呂ありがと!助かった!」
お風呂に入ってさっぱりしたのかニカッと笑った彼は子供そのもので
私の中の危険信号が薄れていく
『どういたしまして。じゃあ帰ってくれる?』
「え!?」
『いや、えってトイレ貸してお風呂まで入れてあげたんだから十分でしょ?』
「うーん。確かに。この服はどうすればいい?」
『あげる』
手を広げる彼が着ているのは彼氏が泊まりに来たとき用に買っておいたスエットで、別に高い物じゃないし返してもらうのも面倒だからそう言った
「そっか。じゃあお礼」
そう言うと私の目の前に座った彼が、何故か目を瞑って顔を近づけて来たから
『ちょ、ちょ、ちょ、何してんの!!』
彼の口を手で抑えた
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