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『先輩暇ですよね、すいません』
「いや、いいよ別に」
『でも帰らないでくださいね!?私が困りますんで!なんなら勉強道具持って来てもいいですよ』
「いやいいわー」
そう言って本棚から雑誌を取ったクロ先輩。まるで自分の家のようなスムーズな行動に、よく来ているんだなということが伺えた
「わかんないところあったら言ってね」
『はーい』
次は問題集だとプリントを出して取り掛かる
こう数字がたくさん並んでると苦手意識からか一歩引いてしまうんだよね
「なぁ、Aってさぁ」
『はい』
「どんな男がタイプなの?」
これからどうこの数字達に立ち向かって行こうかという時にそんな質問を投げかけて来たクロ先輩
『え、なんですかいきなり』
「なんとなく、気になって」
『うーん、そうですね……優しい人、ですかね』
「なんかありきたりなんだけど」
『ちょ、聞いておいてそれですか』
「他には?」
『うーん、かっこいい人』
「えー、大雑把過ぎない?」
『でも好きなタイプって言われたらそのくらいしか思い浮かびませんもん』
「ふーん。って、手が止まってる」
雑誌から視線をこちらに向けたクロ先輩とバッチリ目が合って、苦手意識で止まっていた問題集だったけれど、クロ先輩が話しかけて来たからということにしておいた
「あー悪い、もう黙ってるからやりな」
でもそんなに素直に謝られたらなんだか急に申し訳なくなって「嘘です」と告げれば笑う先輩
「素直だねぇ」
『そうですか?てか、わからないんでこれ一緒にやってください』
「はいはい。どれどれ」
問1を指差せばプリントを手に取った先輩は次に教科書を手にしてページを開く
「この問題はこの公式を当てはめんの」
『なるほど…』
「テストで出る公式の範囲なんて決まってるからいくつかだけ覚えておけば大丈夫だと思うよ」
『はい』
返してもらったプリントにクロ先輩に教えてもらった通りの公式を問題に当てはめて解いていけば導き出された答え
次の問題も同じようにやれば簡単に答えが出た
それに調子付いてどんどんと問題を解いていけば、急に小数点が付いた変な答えが出る
『え、これなんかおかしい?』
助けてくださいとクロ先輩を見れば、じーっとその問題を見た後私のペンケースから一本ペンを取ってプリントを指した
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成田(プロフ) - ゆんさん» わー!嬉しいコメントありがとうございます!!この後もどんどん潔子さんと絡んでいきますので楽しみにしてくださると嬉しいです(*^^*) (2022年8月18日 10時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - すごい読みやすくて好きです(*´∇`)夢主と潔子さんの絡みがすごく好きです♥️ (2022年8月18日 1時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
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