▽ 朱雀奏 ページ34
『これでよしっと！』
透明の袋に可愛らしい形のクッキーを入れて赤いリボンを結べば完成したこれはいちごちゃんと仁くんにだ
そして小さなクッキーを二つ入れた小さな袋が三つ
余りというわけではないけれど、この間約束した奏さん用と
奏さんだけにあげたとバレたら絶対文句を言われそうだと尊兄と竜ちゃん用だ
初めての部活は先生がとても丁寧に教えてくれて、部の人達もいい人ばかりだった
そのおかげかとても上手に出来た今日のテーマのクッキー
使っている材料もかなり良いものだから絶対に美味しいに違いない
それを鞄に入れて、奏さんの待つ音楽室へと向かう
静かな廊下に聞こえてきたピアノの音
邪魔をしないようにそっと覗き込めば、そこには奏さんがいて
やっぱり彼は本物の王子様のようで、私なんかが近付いていいものなのかとふと思った
「あ、A」
切りがいいところまで静かに聞いていようと思っていた音は、彼に気付かれて止んでしまって
「部活お疲れ様」
ピアノに蓋をすると柔らかく微笑んだ彼がこちらに来た
『すいません、途中だったのに』
「気にしないで。それより初めての部活はどうだった？」
『はい、皆さんとても優しくて楽しかったです。それで――』
今日もきっと久遠さんと元がいるだろうし渡すなら今しかないと、鞄から出した小さな袋
『少しですがこれ、クッキーです』
彼に差し出せば、私の手にあるそれを見て瞬きを二度した奏さん
その後ゆっくりと私の手から受け取ると嬉しそうに微笑んだ
「ありがとうございます。こんなに嬉しいプレゼントは初めてです」
『え？クッキーがですか？』
「違いますよ。Aが初めての部活で作ったクッキーが嬉しいんです」
大事そうにそのクッキーを見る奏さんに、こんなことなら彼用にきちんと作った方がよかったかもしれないと思った
『すいません、少しで』
「いいんですよ」
『今度は奏さんにちゃんと作りますね』
「本当ですか！楽しみにしてます！」
『あ、それで、久遠さんと元の分がないので……』
「わかりました。二人だけの秘密ということですね」
そんなに大袈裟なことではないのだけれどと思ったが、お願いしますと言えば彼はまた嬉しそうに笑った
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成田(プロフ) - 千さん» はじめましてこんばんは！凄く好きだなんて嬉しいコメントありがとうございます！最近更新がゆっくりでして、お優しい言葉とても嬉しいです。やっと２が終わり、３に続けることができましたのでまたお時間ある時にでも読んでくださると嬉しいです！ (2020年6月14日 1時) (
レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 凄く好きで読んでいます。楽しみに待ってますので熱中症などに気をつけて頑張ってくださいね。ゆっくりで大丈夫ですので待ってます。 (2020年6月13日 9時) (レス) id: 5f39613bed (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» みきさんコメントありがとうございます！クッキーのくだりもありがとうございます！そう言っていただいて嬉しいです☆そして今日は誰と何をする？も読んでくださってるんですね！凄く嬉しいです！こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます！とても活力になります！ (2020年4月19日 0時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
みき - クッキーを貰った奏様と兄弟には笑わせてもらいました(^^)今日は誰と何をする？も楽しませてもらっています。ステキなお話ありがとうございます♪ (2020年4月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 28e8727e1e (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» はじめまして嬉しいお言葉ありがとうございます！どう出会わせるか色々と考えたのでとても嬉しいです！毎日がドキドキな主人公さんが今後どうなるか楽しみにしていただけたらなと思います！ (2020年3月23日 23時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
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