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放課後、図書室にいた彼女を見つけた俺の足は自然とそこへ入って行った
確かにあの物言いはなかったかもしれないと昨日のことを思い出して、テーブルで本を読む彼女の前に立った
「京極Aさん」
その言葉に顔を上げた彼女は、次に警戒した瞳を向け唇をきゅっと結んだ
「そんなに警戒しないでくれ、謝りに来たんだ」
『え?』
「昨日は突然あんなことを言って悪かった」
すると目をぱちくりとさせた彼女が「意外、ですね」と言って俺を見続ける
そんなに意外だったのか、その瞳になんだか照れくさくなって視線を先に外したのは俺の方
「その本」
『え?』
「君も読むんだな」
だからふと目に付いた彼女の読んでいた本が、自分の好きな本だったことにそんな言葉が出た
有名な推理小説のシリーズもので、ついこの間最終巻が出たばかりの人気作だ
『はい。えっと、貴方も?』
「久遠誠一郎。俺もそのシリーズが好きでよく読む」
『そうなんですね。前の学校で一巻を読んでから中々読む機会がなくて、ここは本がとても充実していますね』
「あぁ。けどその最終巻はまだ入ってきてないけどな」
『え。あー……じゃあ少し待たないとですね、残念』
そう言って困ったように笑った彼女に
「なら俺のを貸してやろうか」
何故そんな言葉が出たのかはわからない
『え、いいんですか?』
「あぁ、丁度良さそうな頃合いに持ってくる」
『ありがとうございます』
多分、酷い言葉を言ってしまった罪滅ぼしだろう
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成田(プロフ) - 綾瀬さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも頑張りますので、また読みに来てくださると嬉しいです☆ (2020年1月3日 20時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬 - 毎回とても楽しみです。頑張ってください (2020年1月3日 19時) (レス) id: 006049a680 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。ご指摘ありがとうございます!「ら」が抜けていましたね!直しました! (2019年10月19日 22時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - こんにちは(*^^*) かなりお久しぶりです(笑) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ep.4 Team奏▽ページ20のここの部分 何これ、私もはけた方がいいのだろうかと頭の隅でそんなことを考えなが応えれば これ正しくは考えながらではないんでしょうか? (2019年10月17日 12時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。コメントありがとうございます、読んでいただきありがとうございます!本日更新致しましたので、また読んでくださると嬉しいです★ (2019年6月2日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
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