▽ ページ22
『ただい、まー……』
今朝のこともあって少しだけ緊張気味にそう言えば
「おかえり!」
駆け付けてきた尊兄と竜ちゃんにホッと胸を撫で下ろした
「どうした?」
『ううん、なんでもない。ただいま』
「おかえり」
不安になるくらいなら最初から言わなければよかったのにと自分に言い聞かせて、滅多なことがない限りそういうことを言うのをやめようと決めた
「それで?どうだった!?」
『どうって……凄かったよ。お城みたいだった』
「違くて、変な野郎に引っかからなかったかって聞いてんの、兄貴は」
『あー……』
その言葉にふと思い浮かんだのは朱雀奏さんのことで
『変な人っていうわけじゃないと思うんだけど凄いお坊ちゃまと会った。いや、朱雀さんの息子さんだから実際凄いお坊ちゃまなんだけど』
「あのセレブ王子と会ったのか!?」
『うん、なんか挨拶してくれて……確かにそうかも。王子様って言えば王子様っぽかった』
「あの野郎なんか言ってたか?」
『あー……ううん、特には』
いきなり守るだなんて言われたけれど、それはきっと彼らのような人達の挨拶みたいなものだろう
「そっか」
『うん』
「あー、よかったぁ」
すると安心したように息を吐いた尊兄の腕が背中に回って突然抱きしめられた体
「ちょ、兄貴」
竜ちゃんのそんな声が聞こえるだけで、何故こんなことになっているのか一瞬思考が停止した私は
『た、尊兄、やめ……苦しい!』
「あ、悪ぃ」
離れた尊兄に、絶対赤いであろう顔を背けた
『もう、そういうのやめてよ。慣れてないんだから!』
兄弟というものはこういうことをするのが普通なのかわからないけれど、やっぱり私には慣れそうにもなくて
『着替えてくる』
恥ずかしくて部屋へ駆けて行った
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成田(プロフ) - 綾瀬さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも頑張りますので、また読みに来てくださると嬉しいです☆ (2020年1月3日 20時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬 - 毎回とても楽しみです。頑張ってください (2020年1月3日 19時) (レス) id: 006049a680 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。ご指摘ありがとうございます!「ら」が抜けていましたね!直しました! (2019年10月19日 22時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - こんにちは(*^^*) かなりお久しぶりです(笑) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ep.4 Team奏▽ページ20のここの部分 何これ、私もはけた方がいいのだろうかと頭の隅でそんなことを考えなが応えれば これ正しくは考えながらではないんでしょうか? (2019年10月17日 12時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。コメントありがとうございます、読んでいただきありがとうございます!本日更新致しましたので、また読んでくださると嬉しいです★ (2019年6月2日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
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