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ページ41

光輝side


初めて話した彼女は俺が思っていたよりも話しやすくて


「なんか、お嬢様って感じじゃなくてよかったかも」
『え?』
「あ、いや、なんでもないです!」


つい出てしまった言葉に口を噤んだ


『あ、』
「え?」
『私、違いますよ?お嬢様じゃないですよ』


やっぱりさっきの言葉を聞かれていたのかと出た苦笑いと


『学校はロイヤルフェニックスですけど、普通の家です』
「そう、なんスね」


彼女の言葉に何故か安心した


『お嬢様は買い物袋持って歩いたりしないですよ、きっと』
「確かに!」
『ふふ。今日はすき焼きなんですけど、凄い久しぶりだから嬉しくて』
「いいっスね!すき焼き!俺も好き!」
『私も好きです』


お互い笑いあって、それが凄く自然で

やっぱり俺、この人のこと好きだと改めて思った


「あ、俺天童光輝って言います」
『私は――』


そう言いかけた瞬間、ガチャリと音がして見れば止まったリムジンから降りてきた男

真っ白い制服を着たそいつはロイヤルフェニックスで、眼鏡の奥の瞳は俺を睨むようにして見ていた

そして次に車から降りた男は


「A」


彼女の名前を呼んだ。しかも呼び捨てでだ


『あ、奏さん』


俺から見ても気品溢れるその男はどこかの物語から出てきたような男で


「お買い物は終わられましたか?」
『はい』
「では車でお送りします」


簡単に彼女の手に触れた


『あ、いやでももう少しで家ですし』
「僕が送りたいんです」
『あ、えっと、じゃあ』


そう言って俺を見た彼女が


『今日は助かりました。ありがとうございました』


と改めてお礼を言う

彼女との夢のような時間は簡単に終わりを告げて


『それじゃあ』
「あ、ッ、また、また会ったら話しかけてもいいですか!?」


思った以上に大きくなってしまった声に驚いていたけれど、「はい」と返事してくれた彼女にまた胸のあたりがキュッとなった

俺の手からなくなった荷物と去って行く彼女

最後に目の合った眼鏡の男は近づくなと言わんばかりの目を向けていた

▽→←▽



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成田(プロフ) - 綾瀬さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも頑張りますので、また読みに来てくださると嬉しいです☆ (2020年1月3日 20時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬 - 毎回とても楽しみです。頑張ってください (2020年1月3日 19時) (レス) id: 006049a680 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。ご指摘ありがとうございます!「ら」が抜けていましたね!直しました! (2019年10月19日 22時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは(*^^*) かなりお久しぶりです(笑) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ep.4 Team奏▽ページ20のここの部分 何これ、私もはけた方がいいのだろうかと頭の隅でそんなことを考えなが応えれば これ正しくは考えながらではないんでしょうか? (2019年10月17日 12時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。コメントありがとうございます、読んでいただきありがとうございます!本日更新致しましたので、また読んでくださると嬉しいです★ (2019年6月2日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:成田 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年5月10日 23時

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