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...
なんでだ___?
思考がネジ巻き人形みたいにくるくるっと巻き戻されてく。
んーと、柄の悪いお兄さん達に会って、
通報しようとしたら...カバン取り上げられたんだった。
『なんで私、カバン置いてきたんだろ。』
ぶふって隣から笑いが抑えられなかったような声が聞こえた。
横目で彼を睨む。
カバンとか気にしてる暇なかったんだって!
ただ、なんか言い訳した所で、今の状況は変わらない。
スマホもない。
家の鍵もない。
財布もない。
イコール、お金が無い。
────あれ、この状況、積んでない?
大貴「ちょ、初音さん?...ぶふっ、大丈夫?」
心配してないのは明らかだった。
笑ってやがる。
我慢出来ないって言うように口元を抑えて笑ってる。
『大丈夫ですよ!いーから早く帰ってくれません?』
大貴「...っ、ごめん、でも初音さん顔が、ふふ」
『なんですか、ほんとに。』
大貴「か...顔が...ふはは!」
呼吸困難かよってくらい、酸素が足りてないらしい。
笑いすぎて何言ってるかわかんないけど、とにかく失礼なことだけはわかった。
『もう、帰る!私が帰ります。』
大貴「んと、どこに?」
『...どうしにかしますんで。』
大貴「何、だって帰るとこないんでしょ?」
『大丈夫です!なんとかします!てゆうか、敬語使ってくれません?』
馬鹿にするような口調がかなり頭にきて、背中を向けた。
なんとかするしかないでしょ。
だって、助けてくれる人なんていない。
実際のところ、本当に私のために動いてくれる人なんて誰も居ないのだから。
別に卑屈になってる訳じゃない。
そうゆう風に今まで生きてきたんだ。
何かを、無くすのがこわい___ただそれだけ。
『あ、』
夜道を映していた視界が、突然グレーの空に変わった。
後ろに倒れるように傾いた体を転んでしまう直前で、なんとか1歩足を出して踏みとどまる。
雨水がその衝撃で地面から跳ねた。
────なんなの...?
掴まれた手首が少し早く脈を打った。
.
大貴「いーから。風邪ひかれたら、俺が悪いみたいでしょう?ついてきてくれますか。」
.
わかんなかった。
わかんないけど、なんか口が勝手に動いてた。
『は...い。』
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himawari(プロフ) - 有岡担さん» 1年越しのレス失礼致します。ありがとうございます!とても嬉しいです!まだHey! Say! JUMP好きですか?良かったらまた見てくださいね! (2021年11月2日 23時) (レス) id: bbb7ea1a79 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - はじめまして!あの、このお話を見たときにもう最高かと思いました!続きも待ってます。 (2020年7月31日 16時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - マリナさん» マリナさん、コメントありがとうございます!頑張ってかきたいと思います! (2019年1月31日 19時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)
マリナ(プロフ) - 初めまして!一気に世界観にハマってしまって主人公ちゃんの幸せの続きが気になりました!更新待ってます! (2019年1月30日 4時) (レス) id: bbedea094b (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - maimaiさん» ありがとうございます!普段は読まないのに、読んで下さってるっていうのは本当に嬉しいです!!つい更新してしまいました...! (2019年1月21日 8時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:himawari | 作成日時:2018年8月25日 21時