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その後、母がナルシッサさんに連絡をしたようで、私の入学祝いをしたいとルシウスさんが申し出てきた。
父は明らかに不服そうだが、母に押し切られるような形で、私達は6年ぶりにマルフォイ邸を訪れることになった。


ルシウス「よく来たね。ドラコ、真緒をエスコートしなさい」
ドラコ「はいっ、父上」


9歳になるドラコが駆け寄ってきた。

3歳の天使の頃より成長したものの、まだ私よりも小さく相変わらず可愛いままで私は思わず微笑んだ。

「ドラコ、久しぶり」
ドラコ「久しぶり、ーーーーっ真緒」

ナルシッサ「ドラコったら、ずっと貴女に会えるのを楽しみにしていて…少し、緊張しているみたい」


ナルシッサさんがドラコをちらりと見ながら、私達に微笑を向ける。
母はあら、可愛いこと、と茶目っ気たっぷりの笑顔で返す。

ドラコ「母上っ、変なことを言わないでください。僕は全く…」

ぱちっと目が合ったので、小首を傾げながらドラコに笑顔を送ると熟れたリンゴのように赤くなった。
照れたらしい。

ドラコ「全くもって、落ち着いていますっ」
「そのようね」

目は泳ぎ、頰は染まり、少しも落ち着きがあるように見えなかったが、とりあえず肯定しておく。
そうだろうっと胸を張るリトルドラコが可愛くてにやつきながら、エスコートするために差し出された手に重ねる。

相変わらず立派な客間に通され、勧められたケーキを頬張りながら、大人の世間話を聞く。
デジャヴである。

ルシウス「ーーで、真緒は、一体どの寮に入りたいのかな」
「え、っと…」
ルシウス「確か、鷹守はグリフィンドールでリリアはスリザリンだったかな。二人とも留学生で7年間はいなかったけれど」

予期しない質問に戸惑っていたら、ルシウスさんが両親の話を続けた。その話を聞いて初めて、二人が仲の悪い寮同士だったことを知った。

「私は、どの寮でも構わないです」
ルシウス「ほう、そうかな」

納得がいかない様子のルシウスさんに、父がそれ以上話させまいと割り込んだ。


父「そんなことより、真緒。ドラコと遊んでおいで」
ドラコ「! 箒に乗ろうっ、僕の部屋にある!」


嬉しそうにドラコが私の腕を引く。
どうやら緊張は解けたらしい。
ドラコの部屋には種類は分からないが、2本の箒があった。これを使うんだと顎で示してきたドラコには悪いが、そういえば箒には触ったことがない。

「ごめんなさい、私乗り方わからないかも」

そう言うと、何故かドラコは顔を輝かせた。

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作者名:M.S | 作成日時:2019年5月11日 16時

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