My Days in Hospital [Storm] 6 (ページ28)

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side S

"Aの様子変なんだよね、手が空いてたらでいいから来てくれない？"

そういわれて病棟に上がってきたんだけど…

「翔ちゃんどうしようA病室の鍵閉めちゃって…」

って言いながらガチャガチャ動かしてるけど合鍵とかあるんじゃないの？(苦笑)
ていうのを伝えると、あ、そうだ！って顔して急いでナースステーションに舞い戻ってった。

個室のみだけ鍵はついてる。でも絶対に鍵はかけないことが条件。
何か特別な事情がある場合のみ、医師看護師に伝えてそれが正当な理由だったときだけのみ初めて施錠が許される。

Aはほぼずっと個室だからこのルールも理解してるはず

あとでしっかり言い聞かせないと…

なんて思っていたのが、すぐに悠長に思っていられなくなる。

「開いた！A、入るよー？…！？」

雅紀が解錠したのを確認して静かに病室に入ると、予想もしていなかった、ある意味異常ではないかと言っていいほどの光景だったかもしれない。

「……A、服どうしたの？さ、寒くない？」

下着だけまとった姿で病室の隅っこで震えてる。
そしてよくよく見ると、床が軽く透明に見えたことから失禁してるとみた。

本当は、どうした！？って声を荒げて言いたいけどそんなことしたら今は逆効果ってこともわかってる。
だから先に進みたくても今はこうやって対応するしかない。

Aは俺らをとらえた瞬間、素人でもわかるような怯え方をし始めた。

ここまで来たら悔しいけど、手には負えない。

ひとまず雅紀にAの様子を見るように伝えて、PHSで智くんを呼び出した。

[はい、大野で～す]

「智くん俺。手空いてたらAの病室来てすぐに。」

[んぇ？あ、うん。今から行くね？]

智くんには連絡がついたし、なんとかなるって言い方は良くないけど何とかなるだろう。
病室に戻って雅紀と一緒にAを見てみる。

少し震えはおさまったみたいだけど、多分あの震え、体が冷えちゃったんだろうな…

…ん？顔に痣みたいなのがある。

ということは…病棟外で何かされた→仮にそれが事実だったとしたら過去を思い出して何か拒絶している。

衣類を脱いでる理由は分からないが、失禁した理由は恐怖の表れ。
なんとなく、うっすらだけど今までのAの行動の辻褄があった気がした。

「お待たせ～。…しょーくん。…て、どういうこと、これ。」

軽くノックされて智くんが入ってきたので事情説明の為一旦病室外に連れ出した。