第32話 第三回戦 ページ34
「おおっとここで龍堂の反撃か！！？」
Aは両手から炎を噴出する。
風になびかれ、手から腕にかけて大きな炎の塊に覆われているように見える。それほどの炎の出量だった。
あまりの熱気に周りの氷が溶け始めている。
『行くよ』
「！」
そう言い放った瞬間、Aは両手を外側から内側に勢いよく振りかぶった。
腕に纏った炎の一部が、弾のように放たれる。
これは最初の戦闘訓練で見せた技だ。
炎だけでなくさらに風をエンチャントして撃つ、Aオリジナルの技……
「形勢が逆転したァ！！今度は轟が逃げ続ける！！」
轟も氷で反撃には出るが、個性を使いすぎて威力があまり出ず、Aの炎で相殺される。
お互い溶け始めた氷の上を滑りながら、Aは轟を追いかける。
(このままじゃ埒が明かねぇ)
そう思った轟は、体を半回転させAと対峙する。
そしてAも動きを止めた。
そこで轟はある事に気づく。
自分の右腕の霜が、溶け始めていたのだ。
(あいつ…まさか……！)
考えればそうだ。
別に炎を大きく纏い続けなくても、あの炎の弾は撃てるはず。これではただ体力を消耗するだけだ。
これは轟を回復させるため＿＿＿
「何でお前も、緑谷も……」
困惑した表情を浮かべる轟。
『私の両親は、事故で死んだ』
「！」
『確かに君の家族はバラバラかもしれない。でも生きている限り、またやり直せる。誰かが歩み寄れば変わるんだよ。……取り返しのつかないことになる前に……』
「？」
Aは真っ直ぐに轟を見据えて言った。
最後の一文は小声で聞き取れなかったが、その目はどこか悲しそうに見えた。
『でも今くらい、全力で戦ってもいいじゃないか』
Aはさらに大きな炎を纏う。
その瞬間……！
「負けるな頑張れ！！！！」
会場がじっとこの試合の結末を見つめる中、緑谷が大声を放った。Aではなく、轟への声援……
「……」
轟は俯く。しかしそれは『熱』を出す合図だった。
ついに左半分から『熱』が放たれる。
(ありがとう、緑谷君)
緑谷と戦ってから、轟が迷っているのは分かっていた。
だから轟から逃げている間、それを払拭する方法を考えていたのだ。だがここは『一番』を目指す場所。勝とうとする意欲されあればいい。
そのきっかけを与えてくれた緑谷にAは感謝した。
轟の熱を見て、Aは口元を上げる。
それと同時に、大技の準備をし始めるA。
左手には炎、そして右手には『氷』を纏っていた＿＿＿＿
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
