第21話 【体育祭】 ページ23
「何ごとだあ！！？」
お茶子の声だ。
それにやけに廊下が騒がしい。
「敵情視察だろ。敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな、体育祭の前に見ときてえんだろ」
ああ、そういうことか。
流石に暫く経てば収まるだろう。
Aは腕を組んで顔を机に伏せた。
「敵情視察？少なくともおれは、調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
「エラく調子づいちゃってんなオイ！！本番で恥ずかしい事んなっぞ！！」
いや、うるさくて寝れんわ。
仕方なく顔を上げて手に顎を乗せ、教室入口の様子を見る。
「関係ねえよ……上に上がりゃ関係ねえ」
そう言うと思ったよ。爆豪君は。
彼は言動が悪いだけの人間じゃない。
常にトップを狙う強い意志と不器用な優しさがある。
私が最近知った事だ。
Aの口元が薄く引き上がる。
クラスの皆は感心したり文句を言ったりしているが、爆豪君は人混みを掻き分け、教室を去っていった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
体育祭当日＿＿＿
『…………はぁ……最悪だ……』
「ある事」に気付いたAは、深くため息を吐く。
ベット辺り一面には、白い砂が舞っていた……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「お前…今何つった？」
『脱皮……いや、
1-A控え室に行く前に、Aは相澤先生に報告しなければならない事があった。
ヘビやトカゲなどの爬虫類の皮が剥がれるように、一部のドラゴンには鱗が剥がれるものもいる……
＿＿＿それが『脱鱗』
しかしAにとって、それは弱体化を意味する。
脱鱗の準備のために体力を消耗し、脱鱗後も体力が回復する事はなく、力も安定しない。
つまり、脱鱗をする日は『全力の半分も発揮できない』ということなのだ。
学校に来ただけでも、相当疲れている。
Aが朝それに気付けたのは、脱鱗が起こる前兆があったから。
鱗の一部が勝手に浮き出て剥がれ、砂上の粒となっていたのが証拠だ。
更に脱鱗は不定期に起こるので、タチが悪い。
『教えておいとかないと、後で怒るでしょう。私に何があっても、そういう事だと思って下さい。では』
「あ、おいっ……」
もうすぐ入場する時間なので、Aはテキパキと話し、力の入らない身体に鞭を打ってその場を去っていった。
「ったく、あいつは……」
包帯まみれの相澤にはAを追いかけることも出来ず、静まり返った廊下でため息を吐いた。
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
