【あんスタ】僕らの片想い奮闘記【短編集】 (ページ2)

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氷鷹北斗の奮闘記ページ2

Side.Hokuto

『北斗、また表情固くなってる』

「表情か…」

俺の表情が固いと指摘した彼女。俺の同級生兼プロデューサー。

俺の好きな子でもある。

『顔の筋肉を柔らかく！』

「や、柔らか…？」

レッスンでは毎回と言って良いほど表情が固いと指摘を受ける。
それでも直せないのだ。俺はまだまだ未熟だということだ。

『ちょっと待ってね』

そう声を掛けてスマートホンをいじりはじめる。
どれが良いかなーとボソボソ呟いている。

しばらくすると、これだっ！と言って顔を明るくするA。

スマートホンを椅子に置いて俺の頬を両手で挟んで上下左右に動かし始めた。

「んっ！？にゃ、にゃにをひてるんら！？」

『あはは、呂律回ってない～！顔の筋肉を柔らかくする体操みたいな？』

けらけらと楽しそうに笑って俺の頬を動かすA。

「いいっ、自分でできる！」

『毎日やってよー？』

こいつはからかうのが好きなのだろうか。

『初めて会ったときより表情豊かになってるから、ゆっくりやってこう。たまには羽目はずして思いきりふざけたりして、高校生らしくさ』

ね？

そう笑うA。
何故こんなに魅力的なのだろうか。
何人を魅了したのだろうか。
何故こんなにも、愛しいのだろう。

何故こんなにもふわふわして苦しいのだろう。

『北斗？』

「…どうかしたか？」

『いやいやそっちがどうかした？すごいぼーっとしてたけど？』

「あぁ、すまない」

心配そうにこちらを見つめるA。愛しさが増して、頭を撫でる。

　

　

　

我慢できないのだから、俺はまだまだ未熟だ。