【リオーネ・ミルドレット】4 ページ5
「……こんな所に村…
ボク、全然知らなかった」
「まあ、それもそうだろうな。
地図にも載っていない」
「………」
三人組の旅の一行だった。
最初に口を開いたツインテールの少女は、ここら辺は他より綺麗だなーと物珍しげに辺りを見回していた。
次に喋った男は、長い黒髪の男だった。賢そうな顔をしているが、方向音痴なのだろうか?
喋らなかった少女…マントとフードのせいで人のような形状をしていること以外はわからないが…は、ビクビクしながらツインテールの少女の後ろに隠れていた。
「とりあえず、宿に行きますか…すみませんが、宿は何処に?」
男の人が近くの村人に話を聞いていると、ふとツインテールの少女が、リオーネの方を向いた。
眼が合うと、少女は首を傾げた後にこりと笑った。それにつられて、リオーネも同じように笑った。少女は男性の話の方に興味が出たのか、小さく手を振ると背を向けてしまった。
村人以外いないこの村に宿屋はなく、少女達は空いている小屋を借り、そこで寝ることにしたようだった。
年が近そうな事もあり気になったのか、少女は他の二人に連れ戻されるまでじっとこちらを見ていた。
リオーネの手伝いは洗い物や食事の用意など、裏方の作業だけで終わってしまい、少女と話す機会はなかった。
何気なく森の方へと足を運ぶと、まだ手伝いの残っているフィーニスとすれ違った。
彼女は何か考え事をしていたようで、すれ違った後もリオーネの存在には気付かなかった。
「あの子、どこかで…」
風に揉まれて聞き取りにくかったが、そう、呟いていた気がした。
【リオーネ・ミルドレット】5→←【リオーネ・ミルドレット】3
9人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪埜(プロフ) - 【更新】「魔女フィリア2」更新しました。3ヵ月もの間、たったこれだけの話の為に空けてしまい申し訳ありません。本編はもう少しさくっといくはずです。できれば、終わりまで見守ってくだされば幸いです (2016年6月29日 2時) (レス) id: a49cc21bc2 (このIDを非表示/違反報告)
雪埜(プロフ) - 【更新】「魔女フィリア1」更新しました。長らくお待たせしました。この章はあともう1〜2話程で終わりの予定なので、かなり短いです。その中でフィリアについてどれ程伝えられるかどうか。努力します (2016年3月29日 1時) (レス) id: 2e4e16571f (このIDを非表示/違反報告)
雪埜(プロフ) - 【更新】「レエンカルナの姉妹4」更新しました。短いですがこの姉妹の話はこれで完結です。文字数の都合で詰め詰めな部分が多いですが、わからない部分は後々補填していくので待っていて下さると幸いです。次の話で序章も終わり、本編へと突入です。 (2016年2月2日 2時) (レス) id: 2e4e16571f (このIDを非表示/違反報告)
雪埜(プロフ) - 【更新】「レエンカルナの姉妹3」更新しました。もうこの話も終盤、次の章が見えてきました。これだけ蒔いた伏線ですが回収しきれるかは微妙なところです。頑張ります。 (2016年1月11日 20時) (レス) id: 2e4e16571f (このIDを非表示/違反報告)
雪埜(プロフ) - 【更新】「レエンカルナの姉妹2」更新しました。三月程経ちましたがようやく更新できました。もう少しで此方も終わりそうなのでお待ちくださると幸いです。設定は生えるもの。こんな予定なかった… (2015年11月30日 22時) (レス) id: fc245ecc04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しのみや | 作成日時:2014年12月31日 4時