【リオーネ・ミルドレット】2 ページ3
「…リオーネ、おかえりなさい」
「ただいまです、ネハクさん」
ネハクはにっこりと笑うと、すぐに食事を出してくれた。
ネハクは、親がいないリオーネの親代わりの様なもので、いつもこうしてリオーネを温かく迎えてくれる。
「……そうだリオーネ、また買い出しを頼まれてくれない?」
ネハクが、嫌ならいいのよ、と遠慮がちに聞いてくる。断る理由は無い。何よりリオーネ自身が買い出しが好きなので、素早く食べ終えれば、行きます!と言い用意を始めてしまった。その間、僅か1分。
「大丈夫? 頼んでおいてあれだけれど、麓の町よりかなり離れてるわよ?」
手にゴールドと小さな包みを持ちつつも、まだ渡すのを躊躇っているようだった。
リオーネはそれを自分から取ると、
「大丈夫ですよ! それに、これが始めてじゃないですし…ちゃんと戻ってこれます!!」
グッと親指を立てて自慢気に言うが、それでもネハクの表情は晴れなかった。彼女の心配事は、それだけではないようだ。
「…? ネハクさん?」
今度はリオーネが心配そうに見てくるので、彼女は慌てて首を振り、行ってらっしゃいとリオーネを送り出した。
「…はい! いってきます!!」
ネハクの気遣いを感じ取ったのかはわからないが、リオーネはまたいつものようににっこりと笑い、そのまま扉を勢いよく開け駆けていった。
「魔王の軍……侵攻……
フィーニスの聴いた御告げが本当なら…」
その呟きは、リオーネには届かなかった。
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雪埜(プロフ) - 【更新】「魔女フィリア2」更新しました。3ヵ月もの間、たったこれだけの話の為に空けてしまい申し訳ありません。本編はもう少しさくっといくはずです。できれば、終わりまで見守ってくだされば幸いです (2016年6月29日 2時) (レス) id: a49cc21bc2 (このIDを非表示/違反報告)
雪埜(プロフ) - 【更新】「魔女フィリア1」更新しました。長らくお待たせしました。この章はあともう1〜2話程で終わりの予定なので、かなり短いです。その中でフィリアについてどれ程伝えられるかどうか。努力します (2016年3月29日 1時) (レス) id: 2e4e16571f (このIDを非表示/違反報告)
雪埜(プロフ) - 【更新】「レエンカルナの姉妹4」更新しました。短いですがこの姉妹の話はこれで完結です。文字数の都合で詰め詰めな部分が多いですが、わからない部分は後々補填していくので待っていて下さると幸いです。次の話で序章も終わり、本編へと突入です。 (2016年2月2日 2時) (レス) id: 2e4e16571f (このIDを非表示/違反報告)
雪埜(プロフ) - 【更新】「レエンカルナの姉妹3」更新しました。もうこの話も終盤、次の章が見えてきました。これだけ蒔いた伏線ですが回収しきれるかは微妙なところです。頑張ります。 (2016年1月11日 20時) (レス) id: 2e4e16571f (このIDを非表示/違反報告)
雪埜(プロフ) - 【更新】「レエンカルナの姉妹2」更新しました。三月程経ちましたがようやく更新できました。もう少しで此方も終わりそうなのでお待ちくださると幸いです。設定は生えるもの。こんな予定なかった… (2015年11月30日 22時) (レス) id: fc245ecc04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しのみや | 作成日時:2014年12月31日 4時