顔が良すぎるヴィラン第二章【ヒロアカ】 (ページ9)

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その目が大っ嫌いなんだページ9

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地面に跳ね返り、ザァザァと雨音がする中、
傘もささずに濡れながら誰もいない墓地に一人立つ。

花瓶に入っていたシオン。

私が好きだったものも添えられていて、バカバカしくて笑ってしまった。死んで後悔してるとでも言うのだろうか。

お母さんは、私が死んだと聞いてどう思ったんだろ。

泣いてくれたのかな。それとも、やっと解放されたと密かに喜んだのかな。

『可哀想だね、緑谷A』

花瓶を投げ捨て、がしゃんと音がすると共に、
水溜まりを踏む音がした。

「やっぱ、ここにいやがったか」

『…久しぶりだね、かっくん』

眉間に皺を寄せて、割れた花瓶に舌打ちをする。

迷惑だろーがと叱っては、
私を傘の中に入れてくれた。

怒るのか優しいのかどっちにすればいいのに、と笑う。

『かっくんも私が死んだと思ってた？』

「…そうとしか思いようがねぇだろ」

『疑ってはくれてたんだね』

くすくす笑う私を無視して、かっくんは白い百合を供えた。

生きているからもうそんなことをする必要はないのに、と言えば、お前に当てたもんじゃないと言われる。

「これは、Aに対してのだ。ジャッジ(テメェ)じゃねぇ」

兄さんでさえ受け入れられなかったその事実に、
かっくんは真っ直ぐすぎる目で向き合った。

嬉しかった。けど、それ以上に、

吐き気がするほどその目が気持ち悪かった。

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