文豪と日々を共に【文スト短編集】 (ページ5)

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「寿司屋にて、喧騒の食事会」ページ5

業務時間も終わり、遂に、漸く、皆が待ちに待った時刻がやって来た。

「「「「寿司だーーー！」」」」

本日は探偵社の皆で、軽い宴会も兼ねて(回る)寿司屋に行くこととなっていた。

反応は様々だ。

「さ、魚が回るなんて…
矢っ張り都会って凄い！」

回転寿司の概念に目を輝かせる者。

「台に載って出てこないお寿司…初めて見た…」

別の意味で回転寿司の概念に目を輝かせる者。

「鏡花ちゃん…(尾崎さんが食べさせてたんだろうな…)
にしても、凄く色んなお寿司がありますね！どれも美味しそう…僕、迷っちゃうなぁ！」

食欲旺盛、食べ盛りの者。

「へェ、甘味もあるのかい。
乱歩さん、どうだい？」

「うん、悪くないね！ﾓｸﾞﾓｸﾞ…此れも中々。」

「もう食べてたのかい！？まったく…先に寿司食べなって。」

「ねぇ兄様、其のお寿司、ナオミと半分こなさらない？」

「うん、いいよ。」

漫談しつつ寿司を食べる者。

「うーん、寿司屋、かぁ…。
はっ！河豚毒なんて如何だろう！」

…安定の自殺愛好者。

「おい太宰、御前は何時も何時も…もう少し俺の胃を労る気は無いのか？」

そして既に胃痛を覚える者。

「無いけど？」

「貴様…」

国木田の額に怒りの四つ角が浮かぶ。

「まあまあ、そんなに怒るともっと胃痛が酷くなるよ。私一寸厠へ行って来るね�・。」

「なっ、太宰、其れは本当か！？
「嘘だけどね」このッ…」

「ああああ落ち着いて下さい国木田さん！御茶もあります故！

…ん？」

青筋立てて太宰を追うべく席を立った国木田を、Aが慌てて止める。
粉末状の茶の容器を手にして湯呑みに二匙入れると、何かを思い付いたように国木田と目を合わせた。

「国木田さん、私佳いこと思い付きました。」

「何だ。」

「少々お耳を拝借…ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ
…という作戦を。」

「ふむ…よし、決行だ。」

そっと耳打ちするAに側頭部を近付け、国木田が頷いた。