どうせなら、同棲でも。【Hokuto.y】

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Aが寝てるなら一緒にゴロゴロしてたいし、Aが起きてるなら一緒に起きて、隣にいたい。
何だろうとAの側にいたい。そう思うのは、俺にとっては普通なんだけどな。

とうとう布団から出て身支度を整え始めてしまったAに、寝ぼけたフリは忘れずに、引き留めるように後ろから抱き締めてその背中に擦り寄る。
この柔らかさとこの温もり、それから一緒に暮らしてても分かる自分とは違う甘い匂い、大きく息を吸い込んだら、それだけでとんでも無く幸せになってしまった。

ほくちゃん、それ人によっては引かれるから気をつけて、と躱されるけど、Aに許されるなら他なんてどうでもいいのに。
ていうか他の人になんかにするわけないじゃん。興味ないし。
やっぱり、Aは何にもわかってない。


「ちょ、重いなあ」
「一緒にいこ」
「はーなーれーてー！」
「くっつきたいんだもーん」
「わかったから！せめて歩く！」


ち、近いから離れて！ってしてた頃のAが懐かしいくらいに、この距離にも慣れられてしまったものだけど、これもこれで悪くない。
なんだかんだ俺には甘いAは迷惑そうなふりをしながらも(ふりだよね？)、側にいることを許してくれる。

今日も、ちょっかい出しながら一緒に歯磨いて、
少しでもの腹いせにAのリクエストを無視してご飯作って、
美味しそうな顔しながら食べるAと一緒にご飯を食べて、
ゲームしたりスマホいじったりAをいじったりしながら仕事してる間も隣で暇を潰して、
飽きてきた頃にマグカップとお菓子で釣って強制的に休憩と言う名の構ってもらう時間を作って。

今度はちゃんとリクエスト通りのご飯で労ってあげて、
Aのお気持ち程度の筋トレダイエットに付き合ってあげて、
一緒に入りたいと頼むのが日課になっている風呂に結局別々に入って(本気にしてくれない)、
テレビ見てだらだらしてから、一つのベッドで小言を受けながらぴったりくっついて一緒に寝る。


何でもないように繰り返される毎日が、今日も始まるのだ。
おんなじように見えてちょっとずつAの態度は柔らかくなってきているし(容赦がなくなっているとも言う)、比にならないスピードで俺はどんどんAを好きになる。
ずるいのは分かってるけど、こうして恋人未満の距離でAに甘えられるのは心地が良いのだ。


あーあ、やだなあ。Aと離れる日のことなんて考えたくない。
このまま、ずっと一緒に過ごせたらいいのに。



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