時透無一郎の許嫁 弐

４０　体育とクラスメイト ページ10

〜Aside〜


その次の日、早速授業があって更に体育もあるということで、私の気持ちは、
滅入っていた。







いつもと同じように無一郎と一緒に行く。






そして、有一郎と下駄箱で合流して、一緒に教室まで行く。









そういうルーティンになるのかしら？









本当、時透兄弟居なかったら、私、今頃独りぼっちで、悲し過ぎて、






今頃一人で路上をさまよっていたかも、、、、









若葉ちゃんと沢華ちゃんと、
そして昨日友達になった、霧川さんとは少しは話す
けどさ。









やっぱり、私が今、こうやって笑えているのは、無一郎と有一郎の力が大きいかな。









二人は、百人力だよ。









でも、なんでこんなに嫌な予感がするんだろうね？









体育の着替えに移動する前、有一郎が困った顔をしていた。





私が'どうしたの？'と聞くと、









彼は髪ゴムを口にくわえていたのを外しながら、

“髪ゴムが切れてしまったんだ。俺の髪は長いから、くくった方が邪魔にならなくていいからな。
でも、これじゃあな、、、”




と言った。






A『そうなの？
私、予備の髪ゴム持っているから、貸してあげれる
けど、どうする？
あっ、私に括らせてくれる？』




有「じゃあ、お願いしてもいいか？」


A『うん、じっとしててね。』








括り終わった後、有一郎は、鏡を見て、
不満そうな顔をした。


せっかく括ってあげたのにな、、、、









そう、有一郎は今、顔の横に一房髪を残して、
ポニーテールしているという、
女の子らしい髪型になっているのだ。









有「まだ、ポニーテールにするのはわかるが、
この顔の横にある髪の毛は、さすがに要らない
んじゃないか、、、？」

顔の横にある一房の髪を指に絡めながら言う
有一郎。

“そんな仕草も様になる！“と、クラスの女子たちは
騒ぎ立てていたけど、そんなの、前からじゃん。
しかも、顔のいい双子と長年知り合いの私は、
そんな事でいちいちドキドキしていたら、
とっくに心臓がやられてるよ。







私は教室に不機嫌そうな、でも少し嬉しそうな様子の
有一郎と、騒ぎ立てる女子たちを置いて、
廊下に出た。




そして、楽しそうな様子で向こうから歩いて来た
無一郎と鉢合わせた。





無一郎にも同じ髪型をしてあげると、
彼は嬉しそうに笑みを浮かべながら向こうへ去って
行った。



彼の姿を見て、私の気分は少し、上向きになった。

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