第二話 ３ ページ5
逃げようとする男たち。
だが、ターフェがそれを許すはずもない。
緑色の魔法陣が現れ、大きな電撃が男たちへと飛んだ。
奇跡的に男たちには当たって無いようだ。
「じゃあ私が決めてやろう。
爆発による、爆死」
そう言って魔法を発動させようとした瞬間。
「ダメ！」
「！」
「あっ！！」
フィオが杖を消した。
ターフェは疑問が隠し切れないようで、思わず振り返る。
Aは大人ターフェが無くなり、その要因のフィオをとんでもない形相で睨んでいる。
「なっ…何故消した…」
絶句しているターフェに、甘い考えを話すフィオ。
そして、そんなフィオに反論をしようとしたとき。
「マスター」
「ターフェ」
「「あいつら逃げました/ちゃったぁ」」
男たちは捨て台詞を吐いて逃げて行った。
フィオを責めるターフェ、フィオの肩を持つマスグラ。
なんともシュールな光景である。
「…ああいうのは次の迷惑の種を撒くからな…。馬鹿。
今後気をつけろよ馬鹿。」
毒舌なターフェにこっちが素なのかと疑問に思うフィオ。
そして、Aからの視線がとても痛い。
「それにしても、やけに静かじゃないかい？
まるで魔法で意図的に人が来ないようにされているような」
Aがそう異変を口にする。
すると、それが合図の様に純白の翼をはためかせる天使が現れる。
「さすがは元、『混沌』。
稀代の魔導師だな」
フィオはその天使に目を丸くする。
「え！？ど、どうしてここに！？」
天使は冷静に答える。
「よぉフィオ。
いやぁ心配でね…。
勘があたって良かったぜ」
ターフェとAは顔を歪ませてその名を呼ぶ。
「「熾天使…モンテ・ブラサイト…」」
「え？ターフェ、Aどうして彼女のことを知って…」
「そいつらから離れなフィオ」
フィオが言い終わらないうちにモンテが口をはさむ。
彼女は眉間にしわを寄せて二人を睨みつけた。
「姿は子供だが魔力の波長で分かるぞ。
そいつらは大災厄と混沌…、あの悪の大魔導師『ターフェアイト』と、稀代の魔導師『A』。
その生まれ変わりだ」
それに対し、ターフェとAは涼しい顔を浮かべている。
まるで、それがどうしたとでも言う様に。
「え？ターフェとAが？
あの悪の大魔導師と稀代の魔導士の？
生まれ変わりの術なんて聞いたことが…」
その瞬間、ターフェはフィオを引き寄せ、Aはその横に立った。
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作者名：紅華 | 作成日時：2022年4月7日 19時
