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17話 ページ20

『南くん、僕のこと迎えに来てくれたの?』


 そう言うと、彼はにっこりとした笑顔でこっちに来てくれた。実際、僕よりも年下な彼は年相応の笑顔を向けてきて可愛いと思う。


「カナコ先生に言ったら、福岡は多分初めてだから、迎えに行ってあげてって言ってたんです」

『ありがとう』


 軽く抱きしめてあげると、僕よりも少し小さいその体は若干冷えていて、手先は少し震えているのがわかった。頭をそっと撫でてあげると、びっくりしたのか少しだけ驚いた表情を浮かべていたけれど、すぐに笑顔をこちらへ向けてくれた。


「えへへ、Aさんに抱きしめられるの2回目ですね」

『そうだったね、久しぶりかな』


 1度目は僕が最後に出た大会で。見学のように来ていた南くんと自己紹介をした時にハグをしたのだ。外国に旅行に出かけた直後に大会があったから、あっちの習慣が身についていたようで、そのせいでもある。


『あー、ホテルを予約しようと思ってたのに。南くんが先に来たんだ』


「おいの家に泊まってったらよかよ?母さんと父さんにも許可は貰ったんですよ!Aさんが、来てくれるのなら大歓迎って言ってた!」


『……僕ってそんなに有名人でも何でもないけど』


「同じスケート選手だったじゃなか!!尊敬です!」


『勇利よりは、その尊敬薄いよね』


「うっ、同じくらい……です」


『無理しなくていいよ。勇利はプロだからね。アマチュアとは違う』


「Aさん……」


『さて、荷物置いたらホームリンクに案内してよ。自分のスケート靴ちゃんと持ってきたから、練習はちゃんと見てあげられるよ』


 ぱあっと表情を明るくした南くんは、早く早くと急かすように一緒に滑りたいのかグイグイと僕の右腕を引っ張る。


 こんな僕でもまだ必要としてくれる人がいる。そう思うと嬉しい限りなのだが……。


 なんやかんやしているうちに南くんの家に到着し、両親に挨拶を済ますと僕と南くんはスケートリンクへと足を運ばせた。




 南くんがホームリンクとしているスケートリンクには、たくさんの子供たちであふれかえっていた。今日が休日だからなのかは知らないけれど、普通に練習をしている子供もいれば、普通に遊びに来て滑っている子もいたりと、様々だった。


「う、うーん。あ、カナコ先生ーーー!」


『ん?』


 南くんが誰かを見つけたようで、一人の女性が南くんの声に反応してこちらに顔を向けた。

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設定タグ:ヴィクトル・ニキフォロフ , 勝生勇利 , ユーリ!!!onICE   
作品ジャンル:恋愛
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オブジェ(元はるかわ)(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2017年3月21日 0時) (レス) id: 58695a87c5 (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - マリンさん» ありがとうございます!少しわかりにくい文章があったりしてすみません……。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: 0baf07c6ee (このIDを非表示/違反報告)
マリン - とっても面白いです〜〜続き楽しみにしてます!! (2017年1月22日 17時) (レス) id: 78f600e7bb (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - 進さん» ご指摘ありがとうございます!すみませんでした。 (2017年1月5日 15時) (レス) id: 6c38952fe1 (このIDを非表示/違反報告)
道化師龍維(プロフ) - 鯨さん» ご指摘ありがとうございます! (2017年1月5日 15時) (レス) id: 6c38952fe1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:道化師龍維 | 作成日時:2017年1月2日 22時

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