4話 ページ4
｢やっほー元気？｣
hycyに今日は来た
時刻は深夜
理由は特にない
｢できてるよ｣
いきなり目の前にウタが現れ
思わず後ずさるがなんてことはなく
足でぶら下がっているだけだった
一旦奥に下がり
そのあと黒のマスクを持って出てくる
いつもの見慣れたマスクだが違う
割れたところがそういうデザインのように
少し手直しされている
｢さすがウタ｣
｢お代は狩りでいいよ｣
……お代が高い
｢いつ？｣
｢今日、今から｣
｢着替えがない｣
｢用意してある｣
｢……｣
睨みつけるがウタは気にした様子などなく
鼻歌を歌っている
｢はぁ…わかった｣
用意してもらった服を広げてみる
それは俺の身長(172cm)にあった丈をしている
────が、和服だ
なんだろう動きやすい狩衣みたいな感じか？
色はマスクと合わせたのか黒だ
｢これ…ウタの趣味？｣
｢イトリ｣
｢察した｣
イトリは何かと俺の世話を焼きたがる
ありがたいとは思うが女物の服を
送るのはやめて頂きたい
｢準備出来た？｣
ウタはもう準備万端で
マスクまで付けている
｢待って…下駄が見つからない｣
服のポケットに
『下駄もあるからきちんとはいてね★』
とメモが入っていた
黒で中が塗りつぶされていると言い知れぬ不安を
感じるのは俺だけでは無いはずだ
｢あ…これ？｣
ウタの手には服の対になっている
下駄が握られている
｢それ！！｣
準備ができた頃には
既に30分が経過していた
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作者名：鶯難民 | 作成日時：2018年6月28日 0時
