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昔の知り合い。
だとしたら、残念ながら僕は覚えていない。
僕の記憶にないこともそうだが、僕の父や母という人が、僕の記憶や思い出に関する記録を、捨ててしまったらしいのだ。
僕は一時期完全な記憶喪失状態だったため、記録を抹消した両親を偽物じゃないか、と思ったほどだ。
物理的にも、僕には思い出がないのだ。
おかしな人生だと思う。けれどこれが残念ながら僕の現実なのだ。未だに両親という存在にすら、実感を抱けない。──欠落者とでも言えようか。
「あの」
「あ、はい」
遠慮がちにかけられた声にはっと我に返る。いけないいけない、接客中だというのに物思いに耽ってしまった。
記憶のことは考えても仕方ないのだ、と放っておく。
見ると、男の人はリナリアを指差していた。
「これを、花束で、ください」
「かしこまりました」
今日置いたばかりのリナリア。
早速買い手がついて、「よかったね」と心中で呟いた。
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瑠色(プロフ) - 心の雨と虹の空＠現在低浮上ぎみさん» ありがとうございます。 (2018年2月14日 15時) (携帯から) (
レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空＠現在低浮上ぎみ(プロフ) - とても面白いですね。更新頑張ってください。 (2018年2月14日 12時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空＠現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。ドーナツホールって結構有名な歌ですよね。歌を参考にしているなら外しましょう。 (2018年2月14日 12時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠色 | 作成日時：2018年2月13日 23時
