【リボーン】ドSで腹黒な私は武お兄ちゃんの義妹です！ (ページ47)

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お兄ちゃんは嘘なんてつきません。ページ47

【運命の時まで、あと1時間30分】

「……チッ」

いつまで待たせるんですかっ！！
もう一時間も待ってますよ。コレ！

私はもう一度壊れかけた窓の外を見た……でも、もう来る気配なんてな……

「A」

「うわっっ！！！」

突然、名前を呼ばれて背後に師匠がいることわかっる。

けど、相変わらず気配なし。

ただ、少しの殺気を感じる。

もしかして、私を殺す気じゃ……！！

そう思った時、

「すみません、A」

予想の通りの声が聞こえた。

まぁ、……それもそうですよね。

なぜか覚悟していた私は、ぎゅっと目を閉じる。

「……」

でも、いっこうに私を殺そうとしない。しかも、私に触れる気配もない。

おそるおそる目を開けと

「っ、！？」

師匠が私を抱き締めていた。

でも、相変わらず、触れられている『感覚』がない。

……なんで？

「気づきましたか？
『この僕』は、幻覚ですよ」

「つ、！？」

腰に回された腕に手を伸ばすと、砂のように崩れる。

間違いない、師匠の幻覚だっ！！

「な、なぜですかっ！！？」
私の声は裏返る。

「……おや、気づいていなかったんですか？

それより、A…
『あの時』、Aを傷つけてしまいました。

謝罪させて下さい」

「な、なんですか。急に、気持ち悪い」

何故か、変な汗が流れる。

「…クフフフ……それから、貴女との修行はとても楽しかったですよ。

あと、最後に貴女の憎まれ口をきけてよかった」

「なんで……そんな、『最後』みたいに言うんですか？」

嫌な予感がする。とても嫌な。また、
大事なものが離れてしまうような予感が。

「A、君はもう、僕がいなくても大丈夫です」

やっぱり。嫌な予感。

私は、その予感も否定したくて幻覚でできた師匠の手を握る。

「離れま、せん……よね？
『もう』……離れたりしませんよね！？師匠っ！」

「……クフフフ」

師匠は、困ったような、悲しいような
顔で微笑む。

「A、君は僕よりも綺麗だ。
マフィアにこれ以上関わって、
汚れてはいけない。
だから、君とはもう

ここで……さようならです」

「え……」

時間が……止まったかと思った。
でも、崩れ始める幻覚にハッとする。

「ちょっと待って下さい！！まだ言いたいことがっ！！」

「A…、僕は…Aが、『どこの誰』であろうと、
『最後』まで、好きでしたよ……」

「し、ししょ……！」

＜ｻｻﾞｯ……＞

私は手を伸ばしたが、もう間に合わなかった。