【リボーン】ドSで腹黒な私は武お兄ちゃんの義妹です！ (ページ43)

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お兄ちゃんは誰よりも落ち着く私の居場所です！ページ43

「その後、Aちゃんのパパは大激怒して～

骸さんに、リスクのもっとも高い実験を無理矢理させたんだよね～」

知ったように、道を歩きながら森下は言う。

Aは目線を少し下げて、森下の言葉に付け足す。

「『もっともリスクの高くて、

記憶を失ってしまう実験』です」

「ああ！そうだった！そうだった！

だから、骸さんは……Aちゃんのこと覚えてないんだよね～？

ま、仕方ないか」

「………」

Aはその言葉に頷くことはなく、そのまま歩き続けていた。

『よくも私の“モノ”に手を出したな！！この×××め！！』

『っ、！！？』

あの時、
突然、パパは私に言ったことのないような下品な言葉で骸を罵り始めた。

『まったく、こんな汚い男にたぶられて……恥を知れ！！！』

『ヒッ……！！』

パパが……汚い

『………お前はもう用済みだ。

堕ちろ』

『パ……パ……？』

「Aちゃんのパパも残酷だよねぇ。

Aを使うだけうだけ使ったら、ポイッ！だし。
骸さんだって、右目の実験したあとも、その代償としてAちゃんとの『記憶』を失った………

ロマンチック～！」

「うるさい」

「ぐおふかっ！！」
森下の体は地面に打ち付けられながら吹き飛ぶ。

しかし、すぐに体は起き上がった。

「でも、いいの？すぐバレちゃうかもだし……

もしかしたら、Aちゃんがまた骸さん惚れちゃうかも………ぐほっ！」

今度は森下の鳩尾に鉄拳が入った。

「それはありません。骸はもう、昔とは違い……

汚れています。

そして私も違う。
今の私には………

お兄ちゃんがいる。
惚れたりなんかしませんよ」

森下は、少し苦笑いしながら……確かめるようにまた、口を開いた。

「ふ～ん。でも、
お義兄さんにも『惚れて』ないんでしょ？」

Aはしっかり頷く。
そこは珍しく、森下を殴らないようだ。

「お兄ちゃんは……恋ではなく、愛ですよ。

兄妹に恋をするなんておかしいじゃないですか」

「………」
今の時点でもすでにおかしいんじゃないかな。

森下はそう言おうとしたが、後方から聞こえた声に

素早く姿を隠した。

「A！！！」

「お兄ちゃん！！！」

山本が来た頃には、もう森下はいない。

森下は、いつものように見ていた。
山本兄妹が輝かしい再会を果たすところを。

「そんな嘘つきなAちゃんも、オレは守ってみせるからね……」

無邪気な微笑みを浮かべながら。