【リボーン】ドSで腹黒な私は武お兄ちゃんの義妹です！ (ページ33)

今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:74,938 hit

お兄ちゃんはパイナップルより数段カッコいいです！ページ33

「この右目……見えますか？」

「………あか…い…ですね……」

骸は自分の右目に浮かぶ、六の文字をAへと向けていた。

Aは、その目をけなすでもなく、ただ見つめる。

「僕は……訳あってこの醜い目へと変えられてしまいました。

貴女とは経由が違いますが……苦しんでいるのは同じです」

「………」

Aは苦い顔をして押し黙る。
そして、ため息を吐いた。

「……私は生まれつきです。
でも……だからと言って私は助けを求めません。

そして、今貴方が私に求めている答えはできないでしょう。

期待させるだけさせて、期待ハズレは失礼なので…

私はここで帰らせていただきます」

「なっ、ちょっと待って下さい！！」

走って部屋を出ようとするA。

その様子は、さっきの口調からは考えられないほどの急ぎようだった。

骸は必死にAの肩をつかんだ。

「何故……何故逃げるんですか！！？」

「逃げてません。言ったでしょう？

私は、丁重にお断りしているだけです」

「それじゃあ………何故貴女は

泣いているのですか………？」

「……っ、」

振り向いた彼女の頬には、綺麗に雫の足跡が残されていた。

骸は、その足跡を指で軽くなでる。

「さ、さわらないでくださいっ！！

この変態南国果実っ！！
輪郭変わるほど殴ってから南国に送り返しますよ！！」

「うっ……」

骸は心のダメージで少し後ろへ下がる。
でも、すぐあとに
Aの手を自分の手で包み込む。

すると、Aも抵抗する力を抜き顔を下に向けた。

「どうせ…………どうせ私は弱いんです。
きっと貴方のほうが強いっ、」

「？？？」

なんのことを言っているのか、いまいち理解出来ないおバカな……ゴホン！

…読解力が少し足りない骸は頭の上に疑問付を並べる。

しかし、その疑問付も振り払い、まっすぐAと目を合わせた。

「では……僕と修行しましょう。

そうすれば、きっと………貴女は強くなれるはずですよ」

これは、ただAを引き留めておくための理由。

でも、彼女の力になりたい。という強い思いでもあった。

「！！？」

初めは理解できなかったAだったが、すぐに思考は開始する。

コイツ、私の言ったことわかってねーじゃん。

しかし、そんな嫌味な考えも、骸の優しい微笑み(？)に負け、

少しのため息と、あきれた笑いに変わった。

「少しだけなら」

こうして、Aの修行が始まった。