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SJ「これは……死ぬほど壊滅的だね……」
「……、」
SJ「ボールがそんなふうに飛んだの初めて見た」
放課後、楽しみにしていたジョンファンとのバスケ練習。
開始5分にしてジョンファンの呆れの声が飛んでくる。
「だから言ったじゃん……バスケできないって……」
SJ「これはもう運動神経どうこうよりセンスがないんじゃ……」
「センス……」
まさか自分のバスケがそこまでの出来とは思わずショックで肩を落とす。
ゴールとは全く的はずれな方向に飛んで行ったボールをジョンファンが拾って「でもそんなに落ち込まないで」と励ましてくれた。
SJ「練習すればきっと上達するはずだよ!2週間もあるんだから少しは上手になれる」
「でも私……体力もないし視野も狭いし……」
SJ「大丈夫、俺がとことん付き合ってあげるから。そんなに気落ちしないで?ね?」
「ジョンファン……」
まるで神様みたいなジョンファンに涙ぐみそうだ。
期待に応えるため「…私頑張るね!」とボールを受け取ってゴールを見据え、フーと息を吐く。
右手で持って左手は添えて、弧を描くように……
「……」
SJ「……大丈夫だよ、まだ始めたばっかだから!」
「……やっぱり無理だ……」
ボールは真っ直ぐ飛ぶどころかトンチンカンな方向に飛んでいった。私にはもう無理だ。
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「あっ!」
それから数十分ボールを投げ続けるもののひとつもリングに当たらず心が折れかけていた。
バウンドしたボールがコロコロと扉の向こうに転がっていく。
SJ「腕が細いから力が足りないのかもね」
「筋肉はないくせに無駄な脂肪があるからだよ……」
SJ「そう?十分細いと思うけど……」
MH「まずはボールに慣れるとこから始めてみたら?」
SJ「……マシホ?」
扉からマシホと呼ばれる男の子が入ってくる。
ボールを持って「俺も一緒にしていい?」とにっこり笑う笑顔がアイドルのように眩しかった。
MH「俺バスケ好きなの」
「……、」
MH「転校生のAちゃんだよね?」
「あ、うん、」
MH「俺マシホ。同じクラスだよ」
あ、どうりで。
こんなイケメンそこらにいたら気付かないはずがないのに、うちのクラスの顔面偏差値の高さに馴染んでいて全く気付かなかった。
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うちゅちゅちゅじぇひょくん - コメント失礼します!今まで見たtreasureの妄想の中で一位になるくらい面白いです笑キャラも最高だし、ところどころのツッコミ?とか主人公の性格も面白いし似てるというかとにかく最高です!応援してます! (6月18日 16時) (レス) @page45 id: 30883e7dee (このIDを非表示/違反報告)
にょっぱ(プロフ) - 大車輪に毎回吹き出しちゃいます。素敵な作品を掲載して頂いてありがとうございます!これからも応援しています♡ (6月11日 23時) (レス) @page26 id: 3902eee54d (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - じぇさん» 書き手再開しました。お待たせしました。また自分のペースでちまちま更新していきますm(_ _)m (2023年5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - ?.さん» ありがとうございます。また自分のペースでちまちま更新していきますm(_ _)m (2023年5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - 千春さん» 大変お待たせしました。またちまちま更新していきますm(_ _)m (2023年5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どりぃ | 作成日時:2021年11月14日 10時