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4話 ページ5

sideA

雨宿りをしている。

A『…雨は嫌いだねぇ…』

どろろ「なんで?」

A『繋がった足が軋むからさ。』

どろろ「じゃあ!あねき!今度こそ弦を弾いてくれ!」

ふふ。

A『分かったよ。』

1曲終わる頃に百は竹林を走った。

A『百っ!…いてて…』

どろろ「あねきはここに居ろよ!おいらが見てくる!」

ちっちゃな子なのに勇敢だね。

A『頼んだよ。どろろ。』

どろろ「任せとけ!」


「立派な子ですね。」

A『ああ…2人して良い子で人思いな自慢の弟達だよ。アンタは兄弟いるのかい?』

「……はい。兄が1人。戦場に行ってしまいました…だから、こうして帰ってきますようにと。」

だからさっき手を合わせて居たんだね。

A『兄思いの優しい妹だね。』

「ふふ、ここはお寒いでしょう?中へどうぞ。」

優しい子だね、本当に。

A『気を使わせては…』

「お風邪を引かれては弟さん達、悲しむでしょう?」

A『あんたも身体大事にしなよ。』

お言葉に甘えて居れさせてもらった…



どれぐらい経ったか分からないけど。

随分、寝てしまったみたいだ。

どろろ「あねき!」

A『…どろろ…びしょ濡れじゃないか!』

どろろ「そんな事より!あにきが!」


外に出ると、棒立ちしている…

A『百っ!?どうしたんだい!』

耳を抑えてる…

A『…雨は五月蝿いかい…?』

私の布を取る。

どろろ「あねき…その目…」

A『気味が悪いだろう?分かってるさ。』

布を百の耳を塞ぐように結ぶ。


「物の怪が出た!」

「物の怪だ!」

「物の怪め!出ていけ!」

雨なのにご苦労な事だ。


A『じゃあね、どろろ、百。』


どろろ「あねき!待って!あねきは物の怪なんかじゃないっ!」


やっぱり私は物の怪の類なのかな……

雨に打たれながら遠くなる意識を手放した。

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作者名:ペテン師 | 作成日時:2019年6月21日 5時

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